2025.10.14 スギノマシン、「バリ取り」自動化装置を投入 高圧水で適用範囲拡大

ウォータージェットによるバリ取り

 産業機械メーカーのスギノマシン(富山県滑川市)は、金属や樹脂などの加工時に発生する余計な突起やとげを高圧水(ウォータージェット)で除去する装置「Jet Deburring Machine(JDM)」の販売を12月に始める。工具では届かない場所へのアプローチが容易で、工作物を傷つけにくい。

 新装置は、小型部品のバリ取りを自動化できる装置。限られたスペースにも設置できるよう、装置の幅を1080mmで設計した。ウォータージェットの圧力は、従来機比40%増の70MPa(メガパスカル)と高いため、これまで取り切れなかったバリも除去可能となり、適用幅が広がった。さらにバリ取りに特化したノズルも新たに開発した。噴射された流体が極力拡散されないようにした。

 バリ取りで使用する流体は、さびを防ぐ性質がある「水溶性クーラント液」を採用。これにより装置内のさび対策にかかっていた分の構成部品を見直し、装置価格の低減につなげた。

 製造業界では人手不足が慢性化し、さまざまな工程の作業の自動化が急務となっている。特にバリ取り作業は危険を伴い、神経を使う作業であるため、人手不足が顕著になっている。

 同社は、2023年にバリ取りの自動化について研究する「デバラボ」を設立し、バリ取りに関する顧客の課題解決に取り組んでいる。新製品は、デバラボの利用顧客や、これまでに蓄積されたバリ取りのデータをもとに市場のニーズを分析しながら開発した。

 ウォータージェットを用いたバリ取りは、自動車部品や精密機器部品、医療機器部品など、さまざまな業界から高いニーズがあるという。