2025.10.22 NSKワーナー、高性能と省スペースを両立した「導電バイパスプレート」開発 電動車の進化後押し
NSK ワーナーが開発した「導電バイパスプレート」(下)
日本精工の持分法適用会社であるNSKワーナー(静岡県袋井市)は、高い導電性と省スペースを世界最高水準で両立した「導電バイパスプレート」を開発したと発表した。電動車の駆動部内に装着する製品で、航続距離の延長に伴い高度化する導電アイテムのニーズに応える。2026年に市場投入する予定で、27年を目標に売上高10億円の達成を目指す。
新製品は軸受とそれを固定するハウジングの間に挿入し容易に装着できる導電アイテム。独自開発の「導電ペーパ」とスプリング反力を活用した製品構造を採用することで、高い伝導性と省スペースを実現した。導電ペーパは、社内試験で新技術の有無を比較したところ、導電性が6倍以上高まる効果を確認できた。また、油の出入り口として気孔構造を保持し、油中での使用が可能という。
モーター、インバーター、減速機を一体化した駆動ユニット「eAxle」などの電動車の駆動部が求める高度なニーズに対応。不具合の原因となる電食への対応や、電子機器から発生する電磁ノイズを抑制するEMC(電磁両立性)の対策に貢献する。
電気自動車(EV)の普及に向けては、航続距離の拡大という課題に直面している。こうした中、駆動部に搭載されるモーターは、効率向上や充電時間の短縮を可能とする高電圧化が進展。電気を外部に逃がす機能を持つ導電アイテムに求めるニーズが高まっていた。
一方で電動車の航続距離延長を背景に、駆動部の小型・軽量化も促進。導電アイテムには、高い導電性だけでなく省スペースも求められていた。