独インフィニオン・テクノロジーズは、ワイドバンドギャップ材料である窒化ガリウム（GaN）製デバイスで、車載分野で信頼性を保証する国際的な規格の認定を受けた初めての製品群を発表した。GaNはスイッチング性能に特長があり、SDV（ソフトウエア定義型車両）やEV（電気自動車）で求められる、効率的な電力変換を実現する。

　同社のGaN製パワーデバイスのブランド「CoolGaN」の車載向け製品で、「AEC（Automotive Electronics Council）」規格のうち、素子単体で活用するディスクリート向けの「AEC-Q101」の認定を受けた。このうち、「100 V G1」ファミリーの量産出荷を開始、より高電圧向け車載トランジスタや双方向スイッチのサンプル供給を始めた。

　先進運転支援システム (ADAS)など高性能の機能を搭載した自動車やEVでは効率的な電力変換が求められる。車載分野の電力供給システムが12Vから48Vに移行していることで、その流れは加速している。GaNは、ケイ素（Si）や、EV市場への展開が進むパワーデバイス材料炭化ケイ素（SiC）と比べても、高周波性能に優れ、高速スイッチングができるため、この需要に応えられる。