2025.10.24 【メカトロテックジャパン2025】先進的な製品・サービスで省人化支援 工作機械各社が存在感
自社製チャックを基にターンキー提案を行うFUJI
工作機械の見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2025」(主催=ニュースダイジェスト社、愛知県機械工具商業協同組合)が25日まで、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催。省人化や無人化を支援する製品やサービスに熱い視線が注がれている。
FUJIが社会課題解決を後押し
FUJIは、人手不足、賃金の高騰といった社会課題に立ち向うため、オリジナルデザインチャックを礎とした「真のターンキー(起動スイッチを押す)提案」を紹介した。自動車関連で培った知見を基に、品質を担保したワンストップソリューションを提供してきた実績がある。
顧客は、ワーク(加工物)の図面と生産数量を伝えるのみ。ロボットをはじめとした必要な装置を同社がすべて準備し、ベストな工程を考え、「チャック/ツーリング・自動化設計」から「プログラム/加工調整」「設置」まで一貫して対応する。
ワークの加工精度を左右しかねない主軸チャックは、自社で設計・製造しているのが強み。「基準面・並行面の並行度がほしい」「異形ワークをクランプしたい」といった要望にも対応できる。
ニデックは複合CNC旋盤など展示
ニデック傘下の工作機械メーカー、ニデックマシンツール(滋賀県栗東市)、ニデックオーケーケー(兵庫県伊丹市)、TAKISAWA(岡山市)がそろって初めて出展。MECTで、新製品を含めた共同開発品を披露した。
新製品の一つは、複合CNC(コンピューターによる数値制御)旋盤「TCY-160IIY L3 」。旋削加工と回転工具による切削工程を1台に集約したコンパクトな複合旋盤で、自社製ガントリーローダーや洗浄、計測などの周辺機器と組み合わせることで、小物部品の生産性を向上させる。
二つ目は、高生産性と省スペースを両立した複合加工機「MGC300 / MGC300」。一般的なマシニング加工や同時5軸加工に加えて、ホブ加工やスカイビング加工、歯車面取りまでを1台に集約した。
三つ目は、省メンテナンスでエコなオペレーションに加えて、さまざまなワークに使用できる高能率加工機「MV12BxⅡ / MV12Bx2」。50番主軸仕様で低速域でもしっかりと削り、高速加工にも対応する。最高級の面積効率を誇るコンパクトな設計となっている。
ブラザー工業は生産性向上を支援
ブラザー工業のブースでは、工作機械のマシニングセンター「SPEEDIO」の実加工に注目が集まった。新しく開発した100本マガジン搭載モデルは、多品種小ロット生産に対応。5軸加工と100本マガジンを搭載した「U500Xd2-100T」と専用オプションパレットチェンジャー「PC-1」を組み合わせることで、パレットに搭載したワークをチェンジしながら、100本マガジンの搭載機が多種多様なワークを加工する。さらに、ワークの形状に合わせたロボットへのティーチングも不要となり、夜間の稼働なども可能となったことで、人手をかけずに生産性を高められる。








