2025.11.05 EVコンセントをIoT化、スマホで充電制御するコントローラー発売 Nature

スマートなEV充電を行うNature EV Switch

アプリと連携してEVの充電状況を可視化アプリと連携してEVの充電状況を可視化

 IoT機器の開発や販売を行うNature(横浜市神奈川区)は、電気自動車(EV)の充電用コンセントをIoT化するスマートEV充電コントローラー「Nature EV Switch」を法人向けに販売開始した。EV充電の可視化や遠隔操作、自動化・最適化を実現し、よりスマートなEV充電体験を実現する。

 新製品は、スマートフォンアプリ「Nature Home」と連携させることで、手軽で効果的なEV充電を実現する。これまで把握しづらかった家庭での充電状況をアプリによって可視化する。充電中、待機中、停止といった充電ステータスをリアルタイムで確認可能。EV充電に要した電力消費量や電気料金の目安を日・週・月・年単位で見ることもできる。

 充電ケーブルをEVに挿しておけば、アプリからいつ、どこにいても遠隔で充電を開始・終了させることも可能だ。アプリからEV充電の開始・終了時刻や曜日を詳細に決められる「EVタイマー充電」も用意。生活リズムや電気料金プランに合わせた充電制御を自動で行い、家庭の電力利用を効率化する。

 天気予報と連動した充電の設定も可能だ。EVタイマー充電を設定する際、「晴れのときのみ有効」をオンにすることで、天気予報が晴れの時間帯に自動で充電を開始する。

 HEMS(住宅用エネルギー管理システム)をスマホで操作できる「Nature Remo E2」や、電力モニタリングシステム「Nature Remo E2 lite」などの「Nature Remo E」シリーズと組み合わせることで、よりスマートな充電体験を提供する。

 充電開始前後の電力消費量をモニタリングし、契約容量を超える場合には自動で充電開始時間の調整や充電停止を行うブレーカー落ち防止機能も搭載した。タイマー充電の設定時間内に太陽光の余剰電力が設定を超えると、自動で充電を開始するなど、自家消費率を高め、環境や家計に優しい充電を実現する。塩出晴海CEO(最高経営責任者)は「家庭の必要電力をEVで賄うことは、大きな経済効果が期待できる」と力を込めた。

 同社は今回の新製品投入を契機に、消費者向けのハードウエア製品展開を加速させる計画だ。

 同社が新製品を開発したのは、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大と柔軟な制御が求められているからだ。太陽光発電やEVなど家庭でのエネルギーリソースは多様化し、エネルギーを「つくり・ため・賢く使う」動きが広がっている。一方で家庭でのEV充電には状況のわかりにくさや効率的な利用の難しさなどの課題が残されており、同社はこれまで培ってきたIoT技術を生かしてこの課題解決を目指した新製品を開発した。