2025.11.04 オンセミ、GaN基板にGaN層を成長させたパワー半導体「vGaN」電流を垂直に通しサイズ3分の1に 

オンセミの「vGaN」パワー半導体

 オンセミは、高耐圧、低損失の素材である窒化ガリウム(GaN)の基板に別のGaNの層を成長させたGaN-on-GaN構造のパワー半導体を発表した。縦型窒化ガリウム(vGaN)と呼び、基板にケイ素やサファイア、成長層にGaNという異種の素材を使う従来製品と異なり、半導体の表面に電流を横切らせるのではなく、垂直方向に通せる。サイズを約3分の1にでき、より高電圧を取り扱え、高速なスイッチング周波数を達成できるという。組み込んだ電子機器や部品を小さく軽くし、電力消費の低減にもつなげる。人工知能(AI)データセンター(DC)や電気自動車、再生可能エネルギー、航空宇宙、防衛、セキュリティー分野の用途を見込む。10月末時点でサンプルを準備中だ。 

 モノリシックダイを1200V以上の電圧でスイッチングできるよう設計したとする。同技術で構築した電源システムは従来製品に比べ損失を約50%近く低減可能で、高周波数で動作するためコンデンサーやインダクターなど受動部品も小型化できる。AIDCでは800V DC-DCコンバーターの部品点数の削減、電力密度の向上によるラック当たりコストの大幅な改善を見込めるとする。