2025.11.05 ADEKA、次世代EUV向けMOR用金属化合物の新プラントを建設
新プラントを建設予定の鹿島化学品工場
ADEKAは、鹿島化学品工場(茨城県神栖市)に次世代EUVリソグラフィ(高NA EUV)向けMOR用金属化合物のプラントを新設する。
高度ICT(情報通信技術)社会に不可欠な半導体は、情報処理の高速化と消費電力の低減を背景に、高集積化や高積層化が進む。リソグラフィ(露光)工程では、メモリーやロジック半導体の微細化に対応するため、EUV(極端紫外線)露光装置のレンズ開口数を拡大して露光の解像度を高め、より微細なパターンを形成できる「高NA EUV露光」が本格導入される見通しだ。露光工程のフォトレジストでは材料のゲームチェンジが求められており、現在主流の化学増幅型レジストと併用する形で、新コンセプトの「MOR(金属酸化物レジスト)」採用拡大が予測されている。
新プラントで製造するMOR用金属化合物は、フォトレジストのEUV吸収率やエッチング耐性を向上させるキーマテリアルで、先端メモリー向け高誘電材料の創出に欠かせない金属錯体技術を応用して製品化した。
既に鹿島化学品工場内のALD材料製造ラインで量産化し、供給を開始しており、MOR用金属化合物の専用プラント新設を決めた。投資金額は約32億円。建屋内には将来スペースを確保し、本格的な需要増への対応とともに、高NA EUV露光をはじめとする次世代リソグラフィ工程の技術革新をにらんだ新規材料の製造も検討中だ。
同社は2026年1月には、久喜開発研究所(埼玉県久喜市)内に新研究棟が完成し、ALD材料とCAR、MOR向け材料の開発体制をさらに強化していく考えだ。








