2025.12.03 独ミュンヘンの2大電子技術展、SEMICON との連携強化探る
今年のプロダクトロニカでの日本企業のブース
ドイツの展示会運営会社メッセ・ミュンヘン(MMG)は、電子技術関連の2大展示会「Electronica(エレクトロニカ)」と「Productronica(プロダクトロニカ)」を毎年11月交互に開いている。偶数年に開催の前者は、電子部品や半導体、計測器など、奇数年の後者は自動製造装置や実装機、EMS(受託生産サービス)向け機器、アセンブルシステムなどが対象。いずれも1600~3500社が参加する世界屈指の電子技術展だ。
今年はプロダクトロニカの開催年で、会期は11月18日から21日まで。MMGによると今年は、参加社数が1600社、来場者が4万7000人だったという。
プロダクトロニカは今年が50周年を迎えた。1975年にエレクトロニカから製造装置群が分離し、第1回のプロダクトロニカがスタートしたという経緯がある。エレクトロニカは64年が最初で、60年の歴史を持つ。2つは、電子産業の「川上」から「川下」までカバーする展示会という位置付けにある。
この2つに併設された展示会がSEMI(国際半導体製造装置・材料協会)主催の「SEMICON Europa(セミコン・ヨーロッパ)」。毎年エレクトロニカまたはプロダクトロニカの開催に合わせて、同じ時期に同じ会場で開催。来場者はどちらの展示会も視察でき、会場内は相乗効果をもたらし、賑わいを見せる。
セミコン・ヨーロッパ自体は、94年にアムステルダムが第1回が開かれ、その後は各都市を回ったが、17年のプロダクトロニカからミュンヘンでの併設開催となった。セミコン・ヨーロッパは、半導体製造装置や材料、パッケージング技術に特化。プロダクトロニカが強い電子機器製造との技術融合が狙いというのが、主催者が同時開催する狙いでもある。
この3つの展示会は、欧州電子産業のサプライチェーン全体をカバーするという点では重要なイベント。しかし、それぞれ独立した展示会という訳にはいかない。そこで関係者が模索しているのは、併催がもたらす共通ネットワーキング化や、半導体と電子機器製造のデータ共有プラットフォームだ。加えて、半導体と製造技術が融合する領域を拡大するとともに、製造のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みなどに特化した共同ゾーンの設置についても検討。展示会を通じて、スタートアップの育成などの課題解決も目指している。
MMGのラインハルト・ファイファー共同CEOは今回のプロダクトロニカに触れ、「出展企業がかつてないほど国際的なつながりを持っている。セミコン・ヨーロッパとの強固なパートナーシップが求められる」と語った。SEMIのアジート・マノチャCEOも「エレクトロニカ、プロダクトロニカとの3者連携こそが欧州を成長軌道に乗せる」と、今後の関係強化の必要性を強調した。











