2025.12.15 【セミコン特集】住友ベークライト、先端半導体向け材料を一挙展示

封止材向けエポキシ樹脂(左から顆粒、タブレット、液状の3タイプ)

 住友ベークライトは、半導体や電子部品、自動車、建材、医療など、幅広い産業分野で利用されるプラスチック製品の総合メーカー。SEMICON JAPANでは、「AIの進化を支える“Sumibe”の技術」と「“Sumibe”パワーで省エネ貢献」をテーマに、半導体向けの幅広い製品を紹介する。AI(人工知能)演算処理を行う最先端半導体の性能を引き出す製品や膨大な電力を必要とするAIサーバーの省エネに貢献するパワーデバイス向け製品を取りそろえた。

 最先端領域でも封止材として採用されている主力のエポキシ樹脂は、顆粒タイプとタブレットタイプを用意している。顆粒タイプはHBM(広帯域メモリー)のモールディングで主流となっているコンプレッションモールドに適する。最小5μmの小径フィラーにより、2.5/3Dなど複雑化するパッケージ構造にも対応するとともに、狭ギャップ充塡(じゅうてん)も実現する。低熱膨張、低応力に優れ、反りを制御する。

 タブレットタイプはパワーデバイスなどで用いられるトランスファーモールド向けに提案する。フィラー技術による熱伝導・流動性制御を実現。樹脂配合技術により耐剝離信頼性も向上させた。同社では液状タイプも開発している。今期(2026年3月期)中にはサンプル出荷を予定しており、まずはロジックデバイス向けに提案していく。

 ブースでは、接合用放熱材も展示する。半導体パッケージ内部で発熱源とヒートシンクの間に使用される熱伝導材料(TIM)として使用する。同社の放熱材はエポキシレジンと銀粉を最適配合し、接着力と熱信頼性を高めた。パワーデバイス向けの接合材も展示する。

 先進パッケージング技術の進展とともに重要な技術となっているRDL(再配線層)プロセス向けには、

 感光性樹脂を提案する。同社の感光性樹脂は、低温硬化、低収縮で反りを抑え、耐熱性も高い。PFAS(有機フッ素化合物)とNMP(有機溶剤)フリーで、環境負荷低減にも配慮した。