2025.12.22 日本ガイシ ハイセラムキャリアが支える次世代半導体の高性能化

ハイセラムキャリア

 半導体は、露光技術の高度化や製造設備投資の巨額化に伴い、歩留まり(良品率)の悪化によるコスト増が課題となっている。切り札として、機能を分割したチップレットを高密度に接続し、重要機能のみ微細化する集積技術がある。

 FOWLP(Fan-Out Wafer Level Package)の工程では、支持材上にチップレットを接着固定し、モールド樹脂で封止後、研削により電極端子を露出。絶縁膜内に再配線を形成し、最後にレーザーで接着剤を分解して剝離する。高剛性や透光性が必要だが、従来のガラスキャリアでは反りや破損が生じやすい。

 日本ガイシの「ハイセラムキャリア」は、透光性アルミナを用いた支持材だ。高剛性により熱膨張差による反りや破損を抑制、透光性はレーザー剝離工程に対応する。耐薬品性もあり再利用も可能。現在、四角形タイプも開発中で、トータルコストの大幅減に貢献する。

 今後、NGKセラミックデバイス(愛知県小牧市)の生産設備を増強するとともに、前工程を担うNGKエレクトロデバイス(山口県美祢市)にも新たに成形・焼成設備を導入する。これにより、グループ全体での生産能力を約3倍に拡大する。

 ハイセラムキャリアは次世代半導体の高性能化を支え、AI(人工知能)や自動運転などデジタル社会の進展に大きく貢献する。