2025.12.22 米クアルコム、英アルファウェーブの買収完了 データセンター市場の開拓強化へ

クアルコムはアルファウェーブの買収を機にデータセンター市場への展開を強化する

アルファウェーブのピアリスCEOはクアルコムのDC事業部門トップへ就くアルファウェーブのピアリスCEOはクアルコムのDC事業部門トップへ就く

 米クアルコムは、英半導体IP(知的財産)企業のAlphawave IP Group(通称・Alphawave Semi、アルファウェーブ・セミ)を買収した。買収は18日に完了する予定で、買収額は24億ドル。クアルコムは6月に買収計画を発表したが、当初の計画より約3か月前倒しで完了したことになる。                            

 買収の完了によりアルファウェーブは、ロンドン証券取引所での上場が廃止される。同社の創業者トニー・ピアリスCEOがクアルコムのデータセンター(DC)事業部門のトップとして同事業を率いる。

 アルファウェーブは、高速有線接続技術やコンピューティング技術関連のIPで、世界の有力企業として知られる。特にDCやAI(人工知能)、データネットワーキング、データストレージ分野で、独自の技術を提供している。高速データ通信向けのSerDes(シリアライザー/デシリアライザー)IPやチップ間接続技術は、AIやDCには不可欠とされている。

 買収の完了についてクアルコム側では、「アルファウェーブの高速接続技術は自社のCPU『Oryon』やNPU『Hexagon』の機能を補完するものだ」(クリスティアーノ・アモンCEO)との見方を示す。高性能や省電化、最適化が求められる次世代のDC市場には欠かせないという。クアルコムのDC事業を牽引するピアリス氏は「クアルコムの買収により、アルファウェーブの技術が新しい顧客層を拡大するメリットがある」と語った。