2026.01.01 【家電総合特集】マスプロ電工 新規事業を成長の糧に、セキュリティーとIoTソリューションを拡大 端山佳誠代表取締役社長

端山代表取締役社長

 当社は、テレビ受信関連機器とセキュリティー関連機器、IoTソリューション機器の3事業を柱にしている。住宅着工件数やテレビ需要の減少などの影響を受けてテレビ受信関連は伸び悩んだが、2025年度は全体として前年並みの業績で推移している。

 テレビ受信関連は、動画配信サービスの普及などによるテレビ離れの進行で、今後も市場が大きく拡大することはないだろう。当社としてもそれを見越し、新たな成長戦略としてセキュリティーとIoTソリューションを強化している。

 セキュリティー関連機器では、家庭向けワイヤレスカメラの引き合いが強まっている。近年増えている凶悪犯罪の影響もあって、防犯に対する意識が高まっており、特に電源接続のみでカメラの映像をモニターへ表示できるワイヤレスカメラセットは人気だ。

 安心・安全を提供するという意味では、防災関連製品の訴求にも力を入れている。例えば、ポータブルバッテリーは、国内メーカーだからこその使い勝手にもこだわり、操作パネルの表示を大きな文字で日本語表記にし、ユーザーガイドを天面に配置することで、初めて使う人でもわかりやすいようにしている。ほかには、AM・FMラジオに加えて、ワンセグテレビも視聴できる手回し充電テレビ・ラジオやセンサーライトなどの防災製品のラインアップも強化している。今後、防災関連製品をパッケージ化して展開することで、新たな価値を提供していきたいと思っている。

 特に成長を期待しているのが、IoTソリューションだ。UHF帯RFIDを活用して入退室や在庫の管理を効率化できるほか、製造プロセスや物流業務の改善などに生かせる。どの業界でも人手不足は深刻で、省人化が求められている。RFIDを活用すれば業務効率が飛躍的に高まるため、今後の潜在性に期待感は高い。

 セキュリティー関連機器とIoTソリューション機器は、30年までにさらに事業を拡大させたい。それを実現できる可能性がある領域だ。

 事業環境は今年も楽観視はできないが、4本目の柱を立ち上げるためにさまざまな取り組みを実行し、26年度も売り上げ計画を達成できるように努力するのみだ。