2026.01.12 【電子部品総合特集】タムラ製作所・中村充孝社長 2トップ体制で意思決定を高速化 AI・DC向け電源部品軸に投資加速
2025年に2トップ体制へと移行し、取締役会は10人から7人に減らし今後の成長について議論する場とし、執行役員会に権限を委譲し変化に迅速に対応できるようにした。リスクある分野と事業を伸ばす分野を区分けし闊達に意見を言える場にした手応えがあり、この空気を全社に広げる。
電子部品関連事業は特に人工知能(AI)が稼働する北米のデータセンター(DC)向けに電力分配ユニット(PDU)、無停電電源装置(UPS)用のトランス、リアクターが予定通り成長している。新体制のもと追加能力増強を決めたメキシコ工場は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の対象で、トランプ関税の影響を受けずフル稼働する。
DCの電力増でバックアップ用UPSなどが増えており、この機会は逃さない。27年度まで確実な需要を見込んでおり、メキシコへの新たな投資も頭の中にはある。背景には、同市場で伸びる欧州メーカーから既に風力、太陽光発電向けPDU、UPSでの採用を通じ信頼を得ていたこともある。顧客に近いイタリアで設計しチェコで製造する体制に加え、イタリアで設計しメキシコで製造できる体制を整え高評価を受けている。欧州での用途は風力、太陽光、電鉄、溶接と多様だが、北米はDCの比率が高まっている。一本足にならないよう太陽光向けもより拡大する。
25年に東北大学内に設置した研究所は今後の再生エネルギー、鉄道、電気自動車向けに進化する炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)パワー半導体に合わせ、トランス、リアクターの開発を加速させる。東北大とともに研究する他社の知見や経験も共有し、次のビジネスの柱になる部品を立ち上げる。
航空宇宙向けは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定を受けたメーカーとしてJAXAを中心に供給を続ける。防衛向けは国家予算増に伴い注文が増えており、一定以上の規模で国内生産することで業績に大きく貢献させる。安定需要を想定し増産体制に入っている。
26年はやるべきことをやり切る1年にする。27年度まで3カ年の中期経営計画は事業ポートフォリオ見直し、生産拠点最適化、人員再配置を2年で行うとしたが、3年目に確実に大きな成長を示すため前倒しする。










