2026.01.22 【情報通信総合特集】内田洋行・大久保昇社長 ベースライン底上げで次の成長へ、データ軸に教育・自治体・オフィスつなぐ

大久保社長

 2025年7月期は売り上げ・利益の全項目で過去最高を更新した。追い風となったのは自治体システム標準化の進展とネクストGIGAの更新需要だ。民間でもWindows10サポート終了に伴う更新需要やクラウド型ライセンス契約の拡大が上振れ要因となった。

 こうした一過性需要に左右されない経営体質を築くため、業務効率化や技術人材の最適配置を継続し、ベースライン(基盤事業)の底上げを進めてきた。教育分野ではGIGA端末を国内最大規模で扱い、高品質なキッティング(初期設定作業)が現場から評価されている。教育ICT(情報通信技術)基盤のクラウド化とゼロトラスト対応で、いつでもどこでも安全に端末を活用できる環境を整えた。

 次の成長の柱として「データ」が重要になる。2020年に文部科学省が全国の学校で利用できるCBT(コンピューターを使ったテスト)システムとして整備を進めた「MEXCBT(メクビット)」は、23年5月に当社の傘下入りしたルクセンブルクのOAT社の技術で構築された。日本では2025年、全国学力テストの理科で約100万人が活用した。

 学校向け学習eポータル「L-Gate」は全国約1万2000校が利用し、自治体データと連携した「こども見守り」も動き始めた。教育委員会・学校・自治体をデータでつなぎ、学びと生活を一体で支える基盤づくりを進めている。

 OAT社のCBTプラットフォーム「TAO(タオ)」は、オンライン試験の大規模アクセスに耐える基盤を整え、PISA2025では106の国・地域で運用された。今後は不正監視やAI活用を拡張し、問題分類や検索などをAIが補完する機能も視野に入れている。

 東北大学の公式スマートフォンアプリ「東北大アプリ」を開発し、教育現場のデジタル基盤整備も支援している。

 民間では会議室予約システム「スマートルームズ」が640社・2万室超で利用され、アジアでの展開を見込む。位置情報や空席情報も統合し、オフィス全体を管理する「スマートオフィスナビゲーター」も導入が広がっている。26年も教育・公共・民間を横断し、データを軸に価値創出を進めていきたい。