2026.01.23 NEC、スループット向上と小型・省電力両立の新5G無線機 26年度上期に国内提供
新たな5G 基地局装置・無線機(Massive MIMO装置)の前面
NECは23日、高速通信規格5GのSub6GHz帯向けに、Massive MIMO(大規模多入力多出力)技術を搭載した新たな基地局装置・無線機(Radio Unit、RU)を開発したと発表した。現行のアンテナ一体型RUの後継機として位置付け、性能評価などの検証を経て2026年度上期に国内提供を開始する予定。
NECは2020年以降、基地局側に多数のアンテナ素子を搭載し、複数の端末と同時に通信して通信容量や速度を高めるMassive MIMO装置5万台以上を国内外に出荷してきた実績を持つ。今回の新装置は、増加する通信トラフィック需要と省エネルギー化の要請を踏まえ、アップリンク・ダウンリンク双方のスループット向上に加え、小型・軽量化と省電力化を実現した。さらにNECの仮想化基地局(vRAN)と組み合わせることで、基地局設置場所の自由度を高め、通信事業者のトータルコスト削減につなげるという。
新装置では、複数端末と同時通信するMU-MIMO技術と、端末に対し指向性の高いビームをリアルタイムに形成する技術を活用し、高速移動端末や混雑環境下でも安定した高速通信を可能にする。シミュレーション結果では、現行機比で平均ユーザースループットがアップリンク約48%、ダウンリンク約54%向上し、ソフトウエアのアップグレードによりアップリンクは約55%まで向上する見込みである。
省電力面では通常稼働時315W(現行機比約42%削減)、ピーク稼働時も630W以下(同約30%削減)を実現した。環境負荷の低減に加え、運用コスト削減にもつながる。筐体(きょうたい)は小型部品の採用やファンレス設計により、体積を約23%削減して23.6L以下、重量を約33%削減して16kg以下とし、作業員1人での取り付けを可能にすることで設置工数の削減を図る。
vRANとの連携では、ソフトウエアによる柔軟な通信遅延制御により、RUと制御装置(DU)間のフロントホール距離を現行機の30kmから最大40kmへ延長する。距離延長に伴うスループットへの影響を抑えつつ、設置自由度を高めるほか、通信需要の変動に応じたRUや光伝送経路の機動的な配備を可能にし、CAPEX(資本的支出)とOPEX(事業運営費)の最適化を後押しする。
今後は通信事業者と連携して検証を進め、2026年度上期の国内提供開始を目指す。加えて、各地域の規格・要求に対応した開発を進め、2026年度下期には海外向け装置の提供開始も計画する。新装置は「MWC Barcelona 2026」(2026年3月2~5日)に展示する予定。








