2026.05.26 NEC通信システムなど、玉掛け合図無線開発 免許不要sXGPで混信抑制 アクティオがレンタル開始

 NEC通信システム、竹中工務店、アクティオは26日、建設工事のクレーンつり荷作業向け「玉掛け合図無線システム」を開発し、今月から商用展開を始めたと発表した。免許不要のプライベートLTE方式「sXGP」を使い、スマートフォンと無線による低遅延・高品質なグループ通話を実現する。都市部の建設現場で課題となっている特定小電力無線機の混信や周波数調整の負荷を抑え、安全で効率的な玉掛け作業につなげる。

 玉掛け作業は、タワークレーンで資材をつり上げて移動させる際、地上作業員がつり荷の位置決めやクレーンの動きを指示する作業。クレーンオペレーターと瞬時に連絡を取り合う必要があり、現在はトランシーバーなどの特定小電力無線機が使われている。一方、都市部では大規模工事が近接し、限られた周波数チャネルの調整が難しく、混信によって作業を一時中断する事例が発生していた。

 NEC通信システムと竹中工務店は、こうした課題に対応するため、2024年からsXGPを活用した現場向け無線通信システムの共同研究開発を進めてきた。NEC通信システムはsXGPネットワークの構築やグループ通話システムの開発、低遅延化を担当。竹中工務店は現場作業員のニーズに基づく操作性や基地局の設置方法、実運用でのユースケースを検討した。

システム構成概要

 25年には、滋賀県守山市や東京都港区などの建設工事でタワークレーン玉掛け作業の実証を重ねた。25年12月から26年2月には、関西地域の大規模建設工事で長期実証を実施し、玉掛け作業に必要な即時性の高い音声連絡を安定して行えることを確認した。

 システムは、スマートフォンと屋外型sXGPアクセスポイントを使い、半径50~500m程度の無線通信エリアを構築する。外部ネットワークには接続せず、単独システムとしてエリア内のグループ通話を可能にする。独自のネットワーク設定により遅延を最小化し、音声の発声から聞き取りまで0.2秒程度の応答性を実現した。

 操作面では、スマートフォン画面上のワンタップで通話できるシンプルな画面を採用した。低遅延の無線ヘッドセットと組み合わせることで、従来の特定小電力無線機に近い使い勝手を確保した。レンタル品は初期設定済みで、sXGPアクセスポイントを設置し、スマートフォンを接続するだけで使える。

 関西地域での実証では、同システムとタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を同一現場で独立した通信システムとして運用した。相互に支障を与えず、良好な音声通信環境を維持できたことから、建設現場で使われている他の通信システムとの共存も確認した。

 NEC通信システムと竹中工務店は今後も共同研究を通じてシステムの改善を進める方針。