2026.07.06 【電子部品技術総合特集】日本電波工業・上木健一取締役常務執行役員技術本部長 新企業理念「波動で未来を科学する」策定
次世代AI DC向け開発など注力
日本電波工業は、2025年9月に新企業理念「波動で未来を科学する」を策定した。波動要素技術こそ同社の強みと明確化・再定義し、保有する技術・開発する技術を社会課題の解決に注ぎ込むことで、快適で安心・安全な未来社会の実現と世界の平和への貢献を目指す。
上木健一取締役常務執行役員技術本部長は、研究開発方針について「水晶で培った技術をほかのさまざまな分野にも展開する。当社には素材開発からデバイス開発、機器開発まで広範な技術があり、これらのコアコンピタンスを多分野に展開し、最適な製品を開発する」と話す。
分野別では「最も注力するのはAI(人工知能)データセンター(DC)関連」(上木常務)。AI DC光トランシーバー用差動出力SPXO(クロック用水晶発振器)は、156.25M㎐品(通信速度800Gbps対応)に加え、新たに312M㎐品(同1.6Tbps)を今年3月に量産開始。次世代の625M㎐品(同3.2Tbps)のサンプル対応も開始した。「次のギガヘルツ帯の話もある」(上木常務)。
AIサーバーのトップ・オブ・ラック・スイッチやコンピュート・トレー用の水晶デバイス供給にも力を注ぎ、NIC(ネットワーク・インターフェース・カード)用高精度TCXO(温度補償型水晶発振器)も開発中だ。
スマートフォン向けは、次世代向けに水晶発振器の多出力品開発を進めており、27年の量産化を目指している。「多出力発振器用のICも自社で開発し、差別化を図っている」(上木常務)。スマホ用サーミスター内蔵水晶振動子は次世代の153.6M㎐品のサンプル供給も開始した。
車載はADAS(先進運転支援システム)向けの技術開発を推進。新規事業としてウエアラブル機器用Si(シリコン)ーMEMS開発にも着手した。
産学官連携では、総務省が2026年度から実施する「電波資源拡大のための研究開発」の「超高周波次世代通信システムに向けた高安定高周波クロック及び高精度時刻同期モジュールの開発」に参画するほか、QCM関連などでも大学との共同研究を進めている。中核拠点の狭山事業所は人工水晶育成、加工や水晶振動子・発振子の開発などを実施。ちとせテクニカルセンターはQCMセンサー開発や無線システムの受注開発など行う。










