2026.07.06 【電子部品技術総合特集】アルプスアルパイン・山田幸光執行職CTO技術本部長 感性に寄り添う技術で未来つくる

マルチモーダルセンシングへ展開強化

 アルプスアルパインは、2035年に向けた新たな企業ビジョン「ビジョン2035」のVISIONステートメントである「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」を方針に研究開発活動を展開している。

 山田幸光執行職 CTO 技術本部長は、研究開発に関する基本方針について「当社製品の特徴はHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)。人の感性の部分で、心地よさをどう実現できるかなどを考慮した開発を進めている。そして、さまざまな社会課題に対し、われわれのコア技術を活用し、世の中に貢献していきたい」と説明する。

 技術の価値を「見える化」するため、知的財産戦略も重視し、開発の方向性を策定している。

 事業別では、コンポーネント、センサー・コミュニケーション、モビリティの3事業があるが、山田CTOは「当社の特徴は、電子部品だけでなく、ソフトウエアやモビリティー製品も手がけていること。これらを組み合わせ、システムとしての製品をより強化していく」と意気込む。

 具体的には、AI(人工知能)技術を組み合わせながら、各種センサーを統合し、顧客価値や社会価値につなげるというマルチモーダルセンシングへの展開を強化する。分野別では、自動車やアミューズメント関連などに加え、「今後はフィジカルAIに代表されるロボット分野にも注力する」(山田CTO)。

 同社グループの開発拠点は国内は三つの開発センター(古川、いわき、長岡)を中心としたR&D体制を構築。海外は、中国、米国、ドイツ、韓国、インドなどに開発拠点があり、「拠点間のエンジニアの横の交流にも力を入れている」(山田CTO)。東北大学をはじめ、岩手大学や東京大学など多くの大学との共同研究にも取り組んでいる。

 昨年からは東京大学とトポロジカル磁性体の巨視的量子効果を用いた小型で優れた磁気分解能の磁気センサー開発に向け、社会連携講座を設置し共同開発を開始した。

 同社は約3年前に「事業変革推進室」を開設した。事業変革推進室には多数のエンジニアも在籍し、協業先などと連携しながら、新たなテーマの発掘などを行っている。

 同社グループには全世界で約5000人のエンジニアが在籍する。