2026.07.13 【家電総合特集】シャープ 菅原靖文・常務執行役員Co-COO兼スマートライフビジネスグループ長
生成AI対応モデル拡大へ
2025年度は、4~6月はエアコンが市場をけん引し、スポーツイベントも多く、ボーナス商戦における消費マインドが上がると期待されたものの、7月に入りエアコンの動きが鈍化した。冷蔵庫・洗濯機・テレビといった大型家電も市況が厳しく、期待したほどの伸びが見られなかった。
市場環境の盛り上がりに欠ける中、当社としてはやりたかったことができた1年となった。その筆頭が生成AI(人工知能)対応モデルを相次いで投入したことだ。ヘルシオ(クックトーク)をはじめ、ドラム式洗濯機・冷蔵庫・エアコン(COCORO HOME AI)、直近(26年5月)ではテレビ(AQUOS AI)とラインアップを充実させてきた。
顧客からの反響も高く、ヘルシオを例に取ると購入理由の上位にクックトークを使えることが挙がる。ドラム式洗濯機の場合、さまざまな洗濯物の洗い方について取扱説明書をわざわざ見ることもなくアドバイスを受けられると好評だ。
生成AI対応製品は、使ってもらうことで評価を高めている。(非対応商品と比べ)顧客からの問い合わせ件数も30%減っている。問い合わせに対する回答は過去のFAQも反映させながら、しっかりソフトを作り込んだ。より具体的にどう操作したいかが、シャープ製品に対応する回答としてアドバイスされるため、顧客にとって使いやすく、結果的に相談件数の減少につながっている。
また、ヘルシオの2~3年前のモデルには、最新スペックにアップデートするダウンロードサービスを試験的に行ったところ、期間限定ではあったものの5000ダウンロードがあった。そのため、購入後のアップデートに対する関心も高いことがわかった。
次に買う時もシャープ製品なら便利と思われるように「次もシャープ、次はシャープ」をわれわれは目指している。今まで使っていなかった、埋もれていた機能まで生成AIに相談することで、100%のスペックを100%使ってもらう。使い方相談をはじめ、使えば使うほどシャープはバージョンアップもしてくれる、というところまでやって評価いただけたのは、AIoTを標榜(ひょうぼう)し取り組んできたわれわれの大きな成果の一つといえるだろう。
こうした生成AIを当社のキラースペックとして取り組んできたことに加え、他社にはないヒートポンプ式で8kg容量のドラム式洗濯乾燥機(25年11月発売)が好評で、エアコンでもカビ抑制機能を新たに搭載し評価された。高画質・高音質な大画面量子ドット・ミニLEDテレビ「AQUOS XLED」の投入など、ニーズを捉えた製品を出せたという手応えを感じている。
26年度も引き続き、力を入れた製品を続々投入する計画だ。生成AI対応モデルも増やすほか、秋商戦以降は新しい製品や他社と一線を画した特長ある製品を積極的に投入し、市場へのプレゼンスを高めていく。
直近では中東情勢が消費マインドにどう影響するか懸念されたが、エアコンの「27年問題」を背景に来店者数が増え、店頭では盛り上がりが見られる。エアコンについては27年省エネ基準値を達成したモデルも健闘しており、良い傾向だ。今後も商戦好調を維持できる施策を強めていく。
中国メーカーの台頭が続く中、AIサービス事業での収益化、AIoTの本格拡大で差別化を図っていく。またアイススラリー冷蔵庫やコンビニ向け焼成機、ホテル向けドラム式洗濯機などB2B(法人向け)事業の本格拡大、北米キッチン事業の強化や東南アジア市場での付加価値製品の拡大など海外戦略も加速していく。










