2026.08.03 NTT、OptQCと資本業務提携 100万量子ビット級光量子計算機 2030年度までの実現目指す

 NTTは3日、OptQC(東京都豊島区)と、誤り耐性を備えた100万量子ビット級光量子コンピューターの実用化に向けた資本業務提携契約を結んだと発表した。NTTはOptQCへ出資する予定。研究開発から事業化、ユーザー企業との用途開拓、サプライチェーン構築、社会実装までを一体で進め、2030年度までの実現を目指す。

 両社は2025年11月、実用的な光量子コンピューターの実現に向けた連携協定を結んだ。NTTは厚木研究開発センタに研究開発拠点を設置。OptQCは産業技術総合研究所で、光量子コンピューター1号機「MoQuren(モクレン)」の稼働を始めた。両社が加わる研究チームは、性能向上に欠かせない世界最高品質の量子光源の実現にも成功している。

 今回、第1弾として27年度までの共同研究契約も結んだ。100万量子ビット級システムに必要なアーキテクチャーと主要要素技術の設計完了を目指す。波長多重技術を活用した量子ビット数の拡大、誤り耐性を持つ光量子コンピューターの設計、100万量子ビット級システムの設計に取り組む。

 NTTが持つ光通信、ネットワーク、データセンター、量子情報処理、IOWN分野の技術や知見と、OptQCの光量子コンピューティング技術を組み合わせる。国内外のユーザー企業や研究機関とも連携し、用途の創出や将来の市場形成を進める。

 事業面では26年度から、ユーザー企業や研究機関との共創を開始する。27年度にサプライチェーン構築へ着手し、28年度には1万量子ビット級の実機を使ったユーザーとのPoC(概念実証)を始める。29年度にはアプリケーション開発や実証を拡大する。

 技術面では、27年度までに実用的な1万量子ビット級光量子コンピューターを実現し、28年度から実機検証に入る。29年度には、光量子コンピューターと古典コンピューターを統合的に活用するソフトウエア基盤を開発し、実際のアプリケーションを使った検証を進める。

 金融分野のリスク分析や最適化計算、製造分野の生産・物流高度化、創薬、新材料開発、エネルギー利用の最適化、AIの高度化などへの活用を見込む。今回示した量子ビット数は、装置上で実現する物理量子ビット数となる。