2026.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】内田洋行 大久保昇代表取締役社長

特需後も伸びるデジタル基盤へ、人とデータで新市場を開く

 2026年7月期第3四半期累計は、売上高が34.2%増の3143億円、営業利益が35.0%増の159億円となり、ともに過去最高を更新した。通期も各利益項目で最高を見込む。Windows11への更新、ネクストGIGA、自治体システム標準化という三つの需要が重なり、GIGA端末は130万台を超える導入となった。

 端末やライセンスは相対的に利益率が高くない。大量導入を支えるPCキッティング力を入り口に、ネットワーク、運用、データ活用へ付加価値を広げる。今回の特需は一巡するが、前回のGIGA後よりベースラインは高くなっている。売り上げの反動を抑え、利益を安定的に伸ばせる体質をつくる。

 教育現場で磨いた技術は次の市場を開く。東京都府中市では約2万1000人が使う校務DX基盤を構築し、ゼロトラストとSASE技術、統合ID認証、生成AIで教職員の働き方を支える。学校のネットワークは今や先進的な水準にあり、その知見を自治体や民間企業にも展開できる。

 人材不足が深まる中、理系・デジタル人材の育成も大きなテーマだ。文系大学が理工系学部やデータサイエンス課程を新設する動きに対し、構想段階のコンサルティングから施設、ICT環境まで一貫して支援する。高校にも同様の流れが広がり、新市場として成長が期待できる。

 学力調査では小中学生約200万人分の答案を扱い、CBTと紙の双方を支えた。記述式回答は異なる方式のAIと人が確認し、精度と効率を両立させている。単に知識量を測るだけでなく、思考の過程をどう評価するかという研究も福井大学と進める。

 民間では、出社回帰とフリーアドレスが併存し、働く場所を自ら選べる環境が求められている。「SmartOfficeNavigator」はKDDIの新本社で約1万3000人の働き方を支える。人の居場所や会議室、ビル設備のデータをつなぎ、快適性と生産性、エネルギー効率の向上に生かす。

 子どもから働く人、高齢者まで、顧客が持つデータを安全に扱い、価値に変えるのが当社の役割だ。人口減少を見据え、「人とデータ」を軸に教育、自治体、民間で培った技術を横展開し、特需に左右されない成長基盤を築いていく。