2020.07.30 【電子部品技術総合特集】メイコー戸田光昭執行役員

戸田 執行役員

5G関連技術に重点、新プリント配線板開発

 メイコーは、研究、開発の重点テーマとして、5G関連技術を掲げて新製品開発、量産化に取り組んでいる。

 戸田光昭執行役員は、「当面の成長戦略を描く上で、5Gに絡む技術が直近の受注活動、中長期的なビジネス拡大に大きな影響力を及ぼす。そのため、5Gの端末、基地局だけにとどまらず、IoTや自動車などの他産業への5G波及効果を踏まえた新しいプリント配線板の開発に注力している」と5G対応の重要性を語る。

 具体的には、5Gの市場、産業分野別に技術をブレークダウンするもので、①基地局②スマートフォン③IoT④自動車に最適化した新製品開発を展開。いずれも材料からプロセス、評価までの新たな技術開発とそれぞれを最大限に生かした総合技術力を重視。

 基地局向けは、高周波対応の高速伝送用基板への取り組みを強化。スマホ向けは、マザーボード、パッケージ基板、RFモジュールなど、これまでのエニーレイヤー基板以上の微細化が可能なMSAPの技術確立に注力する。

 IoT関連では、5Gの特徴を生かして、様々な分野に波及していく。モジュールの小型、高周波、高速化、高出力通信デバイスの放熱対策などに対応した基板開発を行っている。

 自動車は、ADASおよび、その先にある自動運転と電動化への対応技術の開発をテーマとして取り組んでいる。ADASではミリ波レーダー用の高周波ハイブリッド基板の量産化、電動化に対しては、大電流、放熱、3D実装などの多機能統合パワー基板を提案する。今後、自動運転では、制御方式が集中制御化することを踏まえた開発も必要としている。

 同社における研究開発体制は、本社技術本部を中心に国内外の生産拠点にも事業ベースを中心とした技術部門を配置。

 基本的な研究開発活動は、現在の市場が要求する新製品や技術に対応した製品の開発、直近から数年先に実現が予想される新技術と実用化に向けた開発、要素技術、次世代基板、特殊基板の開発を展開する。

 戸田執行役員は、新型コロナウイルス感染が広がる中で、「中国の工場は早く稼働し、顧客と一緒に商品開発を行った。これまでの面談だけでなく、Webをはじめとするデジタルツールの活用を効果的に発揮できるように士気を高め、新たな開発スタイルを確立していく」としている。