2020.07.30 【電子部品技術総合特集】岡谷電機産業水内賢二執行役員
水内 執行役員
製品ごとに生産技術と連携
岡谷電機産業は、研究開発の活動を活発化している。それぞれの製品ごとに生産技術との連携を取りながら、成長戦略に沿って新製品開発に取り組んでいる。
同社における技術開発体制は、技術本部の中に技術統括部、品質保証部、購買部を組織化。直接の製品開発は、技術統括部が担当し、それぞれの製品グループが具体的な開発を行う。
また、経営企画室の中にある企画開発部では、中長期的な立場での開発を担当している。
技術本部長の水内賢二執行役員は、「新製品の開発から、試作、量産まで実行して初めて事業化になる。そのため、重要なのは新製品開発と生産技術が同じ目線で取り組むこと」と生産技術との連携について重要視している。
そのため、長野事業所では、コンデンサ、LED、埼玉事業所では、サージアブソーバ、ノイズフィルタ、コイルと、工場と一体となった開発体制を確立している。
フィルムコンデンサについては、アクロスコンデンサを主力に事業を推し進めて、家電製品から産業機器まで幅広く事業活動を展開。その中で、特に注力しているのが、耐環境性に優れたコンデンサの開発になる。
水内執行役員は、「現在、耐熱性に優れたコンデンサの開発に重点を置いている。産業機器分野をはじめ、熱的な高信頼性が求められている。当社としても今後、DCコンデンサ、自動車分野などへの用途拡大も視野に入れ、注力している点だ」と語る。そのため、フィルム、蒸着の関連分野との連携による共同開発を展開している。
サージアブソーバは、ガラス管タイプから、セラミックパッケージのSMD対応へと重点戦略商品のかじを切った。小型化、高性能化などとともに、コスト競争力の強化が重要と判断。新たに自動ラインによるプロセス技術を導入、稼働している。今後も低コスト化への取り組みを継続する。また、モジュール化による高付加価値化戦略を強化していく考えだ。
ノイズフィルタは、フィルムコンデンサ、コイルといった同社の固有技術を結集。産業機器向けの箱型パワーライン用を主力に展開。医療機器や、電波暗室向けなど、高周波対応を強化していくという。
センサーについては、エンコーダ関連が中心だったが、メカトロニクス分野での新たな用途拡大を目指している。
水内執行役員は、今後の開発について、「発光デバイスを基準に製品を展開してきたが、これから様々な分野で活躍の場が広がるロボット向けなどに関連した新製品開発を行っていきたい」と抱負を述べる。