2020.09.18 【ASEAN特集】北陸電気工業顧客の便宜を図る工場に

HDK(タイランド)の工場

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武内 MD武内 MD

 北陸電気工業は、タイ・アユタヤ市近郊のハイテク工業団地の生産子会社・HDK(タイランド)で各種モジュール製品を専門に生産している。

 同工場は07年に設立。生産規模を順調に伸ばしてきたが、11年の大洪水で工場が水没したため、同工業団地内で移転し操業を再開した。再稼働以降、バンコク市内でグループ会社として販売会社が業務を開始し、現地で製販一体での新規拡販を展開。事業内容を液晶関連モジュールから自動車をはじめとする産業機器向けにシフトした。

 また、タイがエアコンの一大生産拠点であることを踏まえ、白物家電向けにも注力してきた。

 昨年秋ごろからタイ国内の経済が失速した上、今年は新型コロナウイルスの影響を受け、洪水年以上の落ち込みとなったが、7月ごろから徐々に回復。新規顧客も徐々に増えてきている。

 その結果、現在生産しているモジュール製品は、自動車関連が51%、液晶や白物家電、事務機・産業機器向け49%となり、比率が大きく変化。

 特に、コロナ禍でも売れる製品の品種が広がっている。

 武内久男MDは「一般的な部品を実装するEMSではなく、最終出荷で顧客満足度を高めるための施策を考慮し、部品実装後のモジュールをユニット化あるいはケース化するなど、最終製品に近い姿で出荷することによって、顧客の便宜を図る工場にしたい。また、タイの少子高齢化への備えも進めたい」と述べ、省人化を図りながら、製品の付加価値化への取り組みを本格化させている。

 既に工場はフルスペースで実装ラインを稼働しているが、部品実装後の生産ラインの構築を継続する。「来年以降の新規開拓製品の生産を、年内には立ち上げる必要がある」(武内MD)ことに加え、「タイ国内での新規分野の顧客も開拓したい」(武内MD)という。

 今後の方針について、武内MDは「コロナ禍およびその後に成長できる工場へ改善していきたい」と話す。