2020.11.11 【電池の日特集】買い忘れ防ぐ提案に注力石油ストーブなどに不可欠

 きょう11月11日は「電池の日」。「11」を漢字で書くと「+(プラス)-(マイナス)」になり電池の正極・負極を表すことから電池工業会が1987年に制定した。工業会では毎年11月11日から12月12日の「バッテリーの日」までを電池月間とし、電池の正しい使い方や安全な使い方などを訴求している。年末に向けては冬支度で石油ストーブの電池が、大掃除でリモコンの電池が、クリスマスでは電動玩具の電池の需要が増える。乾電池市場は最需要期に入るため、買い忘れを防ぐ提案や正しい使い方の提案に力を入れていくことが求められる。

 アルカリ乾電池の市場は、この数年数量ベースでは堅調に推移している。特に台風や地震などの大きな災害時には電池の需要が伸びる傾向がある。2018年は地震や台風、豪雨被害が相次ぎ、19年も台風上陸や豪雨被害が多かった。今年は台風の上陸こそなかったが令和2年豪雨などに見舞われた。

 災害時でも特に停電が発生した場合などは、懐中電灯や携帯ラジオなど電池を使う機器が必要になり、単1形や単3形が堅調に推移している。最近はLEDのランタンなどの需要も多い。

 何よりも今年は新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛などもあって、家庭内で過ごす時間が増えた。これによりリモコンをはじめ、電池を使う機器の稼働も多くなっている。

 最近の電子機器は専用のリチウムイオン電池を使うものが増えてきている半面、意外と乾電池を使う製品も多い。家電製品のリモコンに加え、ワイヤレスマウス、掛け時計や置き時計などは乾電池で駆動するものが大半だ。携帯用電動歯ブラシ、携帯用のシェーバー、電動血圧計などでも乾電池を使う。玩具なども電池駆動のものが増えている。子どものいる家庭では乾電池の備蓄は欠かせないだろう。そのほかビジネスの用途では、電子辞書やICレコーダなども電池で動く。

 これから年末に向けては暖房機を使い始める。特に石油ストーブは乾電池が不可欠になるほか、給油のための電動ポンプなども電池が必要。ストーブや給油のポンプなどは単1形乾電池を使うケースが多いため、買い忘れのないような売り場づくりが大切だ。

 クリスマスや正月を控え、これから玩具の販売も増えてくる。最近の玩具は電子化・電動化が進み、自動車や鉄道玩具などモーターで動くものや、LEDなどの電飾、電子回路を搭載している商品も多く、乾電池はなくてはならない。

 乾電池は急に使えなくなるので、常に必要量は備蓄していくことが望ましい。最近の国産メーカーの乾電池はハイパワーで長持ちといった性能面だけでなく、長期保存や液漏れ防止など安全面も強化されている。効率良く備蓄できる提案をしていくことも重要になるだろう。

 電池工業会では12月12日までの電池月間にちなんで、12月31日まで「電池は正しく使いましょう」PRキャンペーンクイズを行っている。正しい電池の使い方や使い終わった電池の処理などを伝えていくほか、ギフトカードやQUOカードが当たるクイズを実施。ホームページから応募でき、電池についての認識を高めてもらうようにしている。