2021.03.18 【九州・山口産業特集】エリアトーク無線の力で地域の安全・安心

大田 社長

 エリアトーク(鹿児島県霧島市)は、設置や保守が簡単な無線放送システム「エリアトーク」により、コミュニティの情報や防災・行政情報を住民に的確に伝達。無線の力で地域の安全・安心を確かなものにしている。

 エリアトークは公民館や自治会からの連絡事項を、訪問や個別連絡の手間より簡単に、経路障害の発生しやすい有線放送よりも確実に伝達することができる。住民は屋外に設置されたスピーカや、各家庭に置かれた受信機から放送を聴く。

 公民館などに置いた放送卓を直接操作して放送するだけでなく、放送卓と電話を接続する機器を用いて、担当者が遠隔で携帯電話などから直接放送することもできる。

 無線は、無線技士が必要な地域振興波(専用波)と、技師が不要な簡易無線(共用波)が選べる。機器もアナログ対応とデジタル対応がそれぞれ用意されている。

 市役所などからの防災行政無線網にエリアトーク放送卓を設置することで、自治体の防災・行政情報に必要かつピンポイントの地域情報をプラスできるなど、コストの軽減を図りつつ利便性の高い情報伝達システムを構築することもできる。

 ビルやマンション、工場、オフィスでの構内放送にも対応している。無線でシステムを構築するので、有線に比べ設置工事や保守作業を手軽に行うことができる。

 同社は西日本を中心に、各地の自治体やエリア、自治会などに導入・設置を進めている。昨年も鹿児島県枕崎市の約4000世帯のほか、仁徳天皇陵古墳に隣接する大仙公園(堺市堺区)にシステムを導入した。さらに、災害発生時の避難所開設を迅速に進めるための、各避難所の遠隔開錠システムも新たに商品化し、導入した。

 大田安孝社長によると、昨年はコロナ禍の影響で中国などからの機器の部品調達が滞ったほか、営業活動にも支障が出たという。

 ただ九州をはじめ、各地で常態化している大規模水害や台風、地震などへの備えや地域コミュニティの醸成に自治体などからのニーズは高く、これからも「エリアのニーズに合わせてエリアトークの提案・導入を進めたい」としている。