2021.03.18 【九州・山口産業特集】九州計測器水素可視化システムに注力

岩倉 社長

 九州計測器(福岡市博多区)は、3月開催の「FC EXPO2021」のバーチャルブースに出展し、福岡水素エネルギー戦略会議の一員として水素可視化システムを中心に、超音波水素濃度センサー、光ファイバ式水素検知センサーの自社製品を紹介した。

 同社北九州分室は北九州市の若松区エコタウンセンターにあり、市の「環境未来技術開発助成」を受けて、水素関連の実証実験が4月から3年目に入る。北九州市はプラントから出る水素をパイプラインで燃料電池へ送る実証を行っており、九州計測器は利用者の安心感につながる、パイプラインからの漏えいの可視化に取り組んでいる。

 最近、カーボンニュートラルなどでエネルギーとしての水素の重要性が顕在化し、岩倉弘隆社長は「今まで取り組んできたことをどう発信するかが課題」として、水素関連で培ってきた実績を訴求する。

 同社は、水素には05年頃から取り組んでおり、水素可視化システム「Hydlog15」はJAXAにも採用されている。

 現在は実証実験で水素をどう見える化するか、実績のある「空間環境の可視化システム」を活用して、安心・安全を3次元のビジュアルで見せることに取り組んでいる。

 同社は以前から情報発信に力を入れ、メールで送るニュースレターは、新製品案内やセミナー・ウェビナーの案内、技術情報など、広く知ってもらうものと専門的なものと使い分けて発信している。

 ホームページをはじめとしたWeb展開では「どう伝えるか作り込んでおかないと意味がない」と、20年から専任の担当者を置いた。

 ニュースレターはWebサイトにもリンクしており、問い合わせなども増えて「良いスパイラルに入っている」という。

 2023年に迎える創業50年を前に、自社製品の訴求だけでなく、「九州地区の計測器専門商社として、つながっているお客さまを大切にしたい」(岩倉社長)と、デジタルツールを活用し、常にタイムリーな情報提供を行っていく。