2021.03.26 【中国拠点特集】菱電商事FAなど中心に現地企業も開拓
赤司 董事長・総経理
菱電商事は、菱商電子(上海)をヘッドに大連、成都、深圳、広州に分公司を設け、菱商香港とも連携しFA、半導体デバイスを中心に日系企業を中心とした中国ビジネスを展開している。
菱商電子(上海)は01年7月の開設で今年は20年の節目の年を迎えている。赤司圭一董事長・総経理は「中国の製造業はコロナ前の水準まで戻り、それ以上とも思える活況を呈している。20年半ば以降、半導体製造装置、電力インフラ、5G、生産自動化などの分野をはじめ幅広い分野で動きが好調になっている。期待されるEV分野でもEVバッテリへの参入企業が増え、一部では淘汰が始まるなど投資が過剰になる懸念はあるが、政府の内需拡大政策で当面は現在の活況が続く」とみている。
米中貿易摩擦の影響は今後も続くとの予想も少なくないが、日系企業の東南アジアなどへの生産シフトはこれまでにほぼ終わっており、また内需向けが中心になっていることから、今後大きな影響が出ることはないとみられている。むしろ「中国製造2025」など内需拡大に向けた中国政府の政策に期待が集まっている。しかし、各国のコロナ収束による状況の変化に対しては注意が必要。
菱商電子(上海)における半導体デバイス部門は、日系企業の移管ビジネスとしてもルネサスエレクトロニクス製品が多いが、中国現地法人との商談では三菱電機などパワー系の半導体の引き合いが増えている。また中国電子デバイスメーカーの発掘も進めている。
FAではエンジニアリングを強化するため、現地企業とのコラボレーションも進め、顧客の様々な困り事に対応するソリューションのビジネスモデル構築に取り組んでいる。FAは人員も強化する計画で、工作機械の顧客開拓も進める。
赤司董事長・総経理は「中国は菱電商事にとっても重要な市場であり、さらなるビジネスの拡大は大きな課題。また、中国の付加価値の高い商材を発掘し、横展開することも中国の役割として重要になってくる。容易ではないが、中国企業の開拓を地道に進め、24年には菱商電子(上海)として、中国ローカル企業の売上比率を7割まで引き上げたい。中国市場は広大であり、2次代理店による体制も取っているが、新たな拠点の開設も検討している」と語る。