2021.03.26 【中国拠点特集】カナデン省エネ・省人化ソリューション提案

川東 総経理

 「エレクトロニクスソリューションズ・カンパニー」のカナデンは、FAシステム、ビル設備、インフラ、情通・デバイスの4事業を柱に、国内のほか中国・東南アジアの日系企業を中心に事業を展開している。

 中国の現地法人のカナデン国際貿易(上海)は半導体・デバイスとFAシステムを中心に事業を展開しており、天津と深圳に分公司を置き、カナデン(香港)と連携しながら中国現地企業の取引拡大に取り組んでいる。

 カナデン国際貿易(上海)の川東礼総経理は「中国は内需向けを中心に製造業が活況を呈し、当社の取引先も堅調で短納期の案件が増えている。FAはEV、5Gなどに向けた製造設備関連需要が増加、半導体・デバイスも産業機器向けを中心に好調に推移している」と市況を語る。

 FAシステムでは、シーケンサやACサーボなどのコンポーネント販売のほか、日本企業のみならず中国企業とも協業し、省エネ・省人化のソリューション提案、環境関連の顧客・商材の開拓を強化している。半導体・デバイスでは半導体、無線モジュール、センサーのほか、コネクタ・ケーブルなどの商材を広げている。

 また、中国企業の商材も開拓し、中国リレーメーカーの製品も強化している。

 カナデンは、FAなど5事業部および拠点間を横断的に連携し、ソリューション提案を強化・拡大するため、ソリューション技術本部に続き、本社に20年4月「事業統括室」を開設した。

 川東総経理は「中国でも事業部間の連携により、新たなビジネスの創出に取り組んでいる。開発上流の半導体のスペックインから下流の部品に至るまで、また製造設備も合わせて提供することでトータルソリューションとして将来を見据えた顧客の要望に応えることができる。各事業部の連携で、サプライヤとの協業の幅も広がり、顧客への対応力も強化できる」と言う。

 広大な中国市場をカバーするためパートナー企業とのネットワークも構築し、華南エリア強化に向けて深圳にFA、半導体・デバイス人材を増強した。

 今年の見通しを、川東総経理は「部品不足や材料費の高騰による価格上昇など懸念材料はあるが、政府の内需拡大政策で今年は活況を維持する」とみている。