2021.03.26 【中国拠点特集】北陸電気工業上海北陸微電子有限公司

上海北陸微電子有限公司の外観

▶画像ギャラリーへ

江守 総経理江守 総経理

車載の主力拠点、付加価値を向上

 北陸電気工業は、上海市に回路モジュール生産を行う「上海北陸微電子有限公司」(上海HDKマイクロデバイス社=SMHD社)を展開。基板設計からモジュール製品実装、組み立ての一貫工程を備え、車載製品を主力とする製造拠点として付加価値を高めている。

 上海工場は04年に設立され、現在は北陸電気工業グループ全額出資の生産子会社として展開。敷地面積約2万平方メートル、建屋延べ床面積約9000平方メートルで従業員数約300人。SMTライン11ラインを整備し、グループの実装工場では最大規模。日系顧客の自動車向け液晶駆動モジュールをはじめ各種モジュール製品を製造し、約75%が車載向け製品となっている。

 工場の強みについて江守司総経理は「基板設計や顧客の回路設計サポート、調達、品質管理までのトータルサポートが行える体制を構築している。SMT工程は中間仕掛けを持たない工程設計とし、一気通貫で生産することでL/T短縮を図っている」と説明する。

 同工場は生産性向上のため、検査工程の自動化や搬送用ロボット活用など自動化・省力化を強力に推進。その結果、従業員1人当たりの生産数量は毎年向上し、従業員数は2年間で150人ほど減少した。

 同工場の生産は20年2月には新型コロナの影響を強く受け、夏から秋にかけても再度低迷したが20年11月頃からは回復基調が続く。「21年の年明け後も好調な推移が続き、直近では2年前と同水準に戻っている」(江守総経理)。

 21年度(12月期)の展開について、江守総経理は「省人化をさらに加速させる。そして新規顧客開拓に注力する。液晶駆動モジュールのさらなる拡大とともに、EVや鉄道系のバッテリパック用モジュールへの参入拡大や、自動車ECU分野への参入の足がかりの年にしたい」とする。IATF16949やESD2020認証を取得済み。投資面ははんだフロー装置への投資などを計画する。工場の21年度売上げは、19年度並みへの回復を見込む。