2021.11.19 福岡県ブロックチェーンフォーラム」開催Chaintopeの正田社長がトレーサビリティ実証を報告
「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」の発表もあった
飯塚市が「推進宣言」発表も
福岡県と県Ruby・コンテンツビジネス振興会議はブロックチェーン(分散型台帳)の認知度向上と技術導入を促す「ブロックチェーンフォーラム」を15日、同市博多区のグランドハイアット福岡で開いた。
トークセッションには、ブロックチェーン技術の開発やコンサルティングなどを手掛けるChaintope(チェーントープ、福岡県飯塚市)の正田英樹社長らが登壇。食品分野におけるブロックチェーン技術の活用について紹介した。
同社は今年、ブロックチェーンシステム「Tapyrus(タピルス)」によるトレーサビリティ実証を行った。改ざんが難しいブロックチェーン技術の特性を生かしたもので、県内産の巨峰やシャインマスカットが香港の消費者に届くまでの各段階を記録。ブロックチェーン技術で商品の流通工程を追跡できることを確認した。
「産地偽装の防止に役立つ。ブランドを守れることに加え、食の安全にもつながる」(正田社長)として、今後は県の名産品「博多あまおう」でも同様の実証を行うと話した。
活用の幅が広がるブロックチェーン技術について、正田社長は「今後デジタルで展開されるビジネスの基盤となっていく技術」と述べた。
デジタルデータに固有の価値を与える非代替性トークン(NFT)をテーマとしたセッションには、メディアアーティストやプログラマーとして活動する真鍋大度氏らが登壇。「これまで多くのメディアアーティストにとって作品を売ることは選択肢になかった」(真鍋氏)が、NFTでデジタル作品の売買が可能となることでビジネスにも発展できると指摘。作品を制作するクリエイターとしての期待を述べた。
フォーラムでは、「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」の発表もあった。同市の片峯誠市長は「飯塚はかつて炭鉱都市として日本の成長を支えた。今後はブロックチェーンの街として日本の経済発展に寄与していく」とし、産学官連携のもとブロックチェーン産業の振興に取り組むことを表明した。
出席した福岡県の服部誠太郎知事は「ブロックチェーンを本県の新たな成長産業として、企業の育成や集積に取り組む」とあいさつした。
このほか、飯塚市内の大学の学生によるプレゼンもあり、ブロックチェーンの新たな活用方法について提案された。