2022.04.20 在宅医療特化のスケジュール管理ソフト提供クロスログ、業務改善に貢献
クロスログの説明をする宮原社長
スケジュールや移動ルート作成、見える化を実現
入院や通院が難しい人や、住み慣れた環境で最期を迎えたいという人が自宅で医療を受ける在宅医療。高齢化で需要が増す一方、医師や看護師が患者を訪問するためのスケジュール管理などに課題を抱える医療機関も少なくない。
「在宅医療を当たり前にする」。クロスログ(福岡市博多区)は、そんなミッションを掲げ、在宅医療に特化したスケジュール管理ソフト「CrossLog(クロスログ)」を提供している。「かゆいところに手が届く」サービスとして注目を集める。
クロスログは、分かりやすいスケジュール表示や効率的な移動ルートの表示、情報共有をスムーズにする資料作成の自動化などの機能を搭載。直感的な操作で医師や患者の予定を見える化でき、業務効率の改善に貢献する。電子カルテとの連携も可能なほか、個別の要望にも対応しながら機能の追加や改良を進めている。
2020年のリリース以降、全国の91医療機関が利用しており(4月現在)、問い合わせも増えている。20年10月には、福岡県内の企業が手掛ける優れたIoT製品やサービスを認定する「福岡県IoT認定制度」にも認定された。
現場の悩み知る
「現場の悩みを知ったことがクロスログを作ったきっかけ」と宮原智新・社長は話す。「1000人近い患者を抱えていても、スケジュールをホワイトボードや紙に書いたり、それを手入力でエクセルやカレンダーに打ち込んだりしているというケースも聞いた」(宮原社長)。
在宅医療の担い手である医療機関で非効率的な業務が続いていることに課題を感じ、福岡県の補助金を受けてクロスログの開発に取り組んだ。
「在宅医療専用のスケジュール管理ツールは珍しく、ネット検索から知ってくださる方が多い。それだけニーズが高まっていることを感じる」と宮原社長は指摘する。
契約後も、利用する医療機関まで1度は足を運び、使い方や活用方法を説明するなどサポート。クロスログの導入で業務改善につながった、と喜びの声を聞くことも多いという。
2月にはオプションとして、医療スタッフの現在地が一目で分かるスマートフォンアプリ「CrossLog Tracker(クロスログトラッカー)」の提供も開始した。リアルタイムの情報共有を実現している。
「医療機関の皆さまの〝アナログからの脱却〟をお手伝いし、持続可能な医療の発展に貢献できれば」と宮原社長は語った。(福岡)