2022.06.03 【エコファースト企業~環境の日~特集】エヌエフグループ計測・制御技術で貢献しカーボンニュートラル実現
エヌエフグループは、計測・制御技術を生かしたパワーエレクトロニクス関連の各種システムを開発している。
電力系統の安定化や電力品質の確保、電力需給の調整を通じたカーボンニュートラルの実現に資するソリューションを提供している。
VPP(仮想発電所)や家庭を含んで地域が連携するマイクログリッド(小規模電力網)などの実証実験、電力系統のシミュレーション、エネルギーリソースの評価・試験を支援する。
エヌエフ回路設計ブロックの系統連系試験システムは、電力系統を模擬する交流電源、計測装置や交流模擬負荷などを組み合わせて、太陽光発電・蓄電システム、EV(電気自動車)などのパワーコンディショナー(電力変換装置)の評価に使われている。認証試験にも対応しており「業界のスタンダード」の位置付けだ。
保護リレー試験器は、事故設備を迅速に検出するために電力系統の各所に設置された保護リレーを試験する装置だ。
これもエヌエフ回路設計ブロックの製品で、発電や送電などの電力系統インフラから電気設備まで、さまざまなリレー試験に対応する。
近年、「脱炭素」を実現する切り札として水素の活用が注目を集めている。
総合直流電源メーカー、NF千代田エレクトロニクスの水電解用直流電源は、電気で水を分解して水素を製造する際に使用する直流電源だ。
水電解による水素製造プロセスでは、電解槽に組み込まれ、セルを直列に接続したセルスタックに水を供給して直流の電気を流すことで酸素と水素を取り出す。
実験室やオンサイト型水素ステーション向けからメガワット級の水素製造プラントまで、電解槽に合わせて提案できるのが特長となる。
NF計測技研は、自動車関連のHILSシステムで培ったリアルタイムシミュレーション技術を応用して、電力向けのシミュレーションにも力を入れている。
例えばマイクログリッドでは、電力需給バランスを配電網で適正にコントロールするため、事前検討としての周波数や電圧変動のシミュレーションが求められる。エヌエフ回路設計ブロックのパワー制御技術と組み合わせたソリューションを提案可能だ。
そのほか、伊藤忠商事との合弁会社、NFブロッサムテクノロジーズは家庭用蓄電システムを手掛けている。