2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京エレクトロンデバイス技術商社機能を持つ企業へ事業構造の転換進める

徳重 社長

 東京エレクトロンデバイス(TED)は、EC事業(半導体・電子デバイス)、PB事業(プライベートブランド)、CN事業(コンピュータシステム)の3事業を主力に、2017、18年に子会社化したTED長崎、ファースト両社を加えて「技術商社機能を持つメーカー」へと事業構造の転換を進めている。

 前期から25年3月期を目標年度とする中期経営計画「VISION2025」を推進している。

 徳重敦之社長は「中期経営計画では、安定した収益基盤を固めるために、技術商社機能を持つメーカーへ事業構造の転換を進めている。CN事業はセキュリティーやAI関連サービス、EC事業は設計・量産受託、クラウドサービス、PB事業はODMの拡大などを重点に置き、当初の計画通り着実に実績が上がっている」と話す。

 CN事業は競争力のある製品やサービスに24時間・365日対応できる高度なセキュリティー運用支援サービス「TED-SOC」を組み合わせたストック型ビジネスを強化。AIビジネスはセレブラス社とエヌビディア社の超高速AIプラットフォームを備えた「TED AI Lab」を開設、顧客のAI導入や活用の検証・評価サービスを始めた。

 メーカー機能の強化を推進するPB事業はODMに注力し、検体検査装置の製品企画・開発から製造まで一気通貫の受託事業を開始。第二種医療機器製造販売業許可の取得とエンジニアリングセンターおよび生産を担うTED長崎の医療機器製造業登録も終えた。

 同社は光学機器と独自の画像処理・AI技術を組み合わせたビジョンロボットシステム「TriMath」や、化合物半導体などのウエハー表面の欠陥を高速、高感度で検出するマクロ検査装置「RAYSENS」、工場設備の異常検知と現場改善を容易に実現するAIを活用した予知保全プラットフォーム「CXシリーズ」を提供し、製造業のDX化支援に積極的に取り組む。検査装置やロボットビジョンの高機能化を進め、同時にモノづくりシステムの販売を強化し、中国や台湾など海外にも販路を拡大する。