2022.07.28 【ケーブル技術ショー特集】日本ケーブルラボが22年度事業計画策定オールIPなど5つを重点分野

 日本ケーブルラボは、2022年度事業計画を策定した。方針として「技術のシンクタンクとして、事業者ニーズに合った未来の方向性・選択肢を示すとともに次の課題を抽出。会員には技術セミナー・ワークショップ・調査報告書などを通じて情報を展開する」と示した。

 22年度は①オールIP(放送のIP化・テレビサービス高度化)②新サービス(STB〈セット・トップ・ボックス〉アプリ開発・web×IoT・AI〈人工知能〉/XR)③有線(FTTH)④無線(宅内ワイヤレス〈Wi-Fi〉・ローカル5G)⑤サービス品質(サイバーセキュリティー・運用高度化の概念検証)の五つを重点分野として、取り組みを進めている。

 昨今、IP、AI、データ活用、システム自動化、グローバル標準(オープン化)などの新しいICT技術の役割が大きくなっている。

 宇佐見正士専務理事は「ケーブルテレビ業界を取り巻く環境は、大きな変革の時期を迎えている。放送サービス、通信サービス、地域コンテンツサービス、新たな事業(地域ビジネス)など、ケーブル事業の多様化と他業界との競争・協調が必要だ」と語った。

 また、ケーブル事業者の発展・加入者の満足度向上や地域社会の発展のため、「ケーブルテレビ連盟などと連携・協調し、新技術を通じてスピード感を持ってケーブル業界に貢献する」(宇佐見専務理事)とのラボの存在意義を明らかにし、今後さらにラボの存在価値を高めるために、さまざまな取り組みを進めていくとした。

 特に、ケーブル業界に信頼される技術のシンクタンクとしての役割の重要性を強調。内部要員リソースの割当に加えて、有識者による専門分野別アドバイザー、外部機関への委託などの専門調査体制を構築。専門分野別アドバイザーには現状の事務局リソースで足りない分野(無線、映像、セキュリティー、運用自動化)には外部専門家の知見を活用する。

 また、事業者の要望に基づいて、国内外での重点分野の技術を包括的に動向把握・調査することや、ラボならではの事業者視点で中立的な技術情報に加工・整理する。その分析では、ケーブル目線でタイムリーなDOC(調査報告書・ガイドライン)の発行とともに、発行済みのDOCの更新・統廃合、再構成を行う。

 さらに、事業者ニーズによるタイムリーなワークショップなどを活用して丁寧な発信をする。これらを通して、整理した情報から未来の方向性を提示する。