2022.09.29 【電子部品メーカー・商社ASEAN特集】タチバナ オーバーシーズ ホールディングス(立花エレテック) スマートファクトリーなど高い技術と営業力で提案
中村 MD
立花エレテックは、海外子会社7社の持ち株会社「タチバナ オーバーシーズ ホールディングス(TOH、香港)」でASEAN事業を拡大する。
TOHの中村喜則マネージングディレクター(MD)は「全社同様、TOHでも2021年度に続き22年度も半導体デバイス、FAシステム事業の旺盛な需要を背景に業績伸長を見込んでいる。22年1~6月の売上高、利益は1stハーフとして過去最高を更新でき、22年通期も過去最高値の更新を目指す。ただ、今般のスマートフォン、タブレット端末、パソコン、白物家電の需要の減少や、自動車産業が計画通り生産できていないことにより、今後急速に景気回復することは期待できないと予想する。電気自動車や半導体製造装置向けの半導体デバイス、FAシステムの需要は引き続き堅調だが、市場をしっかり捉え、日系、ローカル、外資系のお客さまの要望に迅速に応えていきたい」と話す。
21年9月の創業100周年を踏まえ、11月に打ち出した中長期経営計画「NEW C・C・J2200」(21~25年度)でTOHは、25年度3億ドルの売り上げ目標を掲げた。拠点のローカル化を進め、アジアにおけるローカルマーケットの開拓を加速する。
20年6月にマレーシア営業所をタチバナセールスマレーシアに現地法人化した。シンガポール、タイの現地法人と連携しながら顧客密着体制を強化。タイ、マレーシアに設けた半導体技術サポートセンターで、ASEANの技術営業サポート力をより高める。同年4月に子会社化した八洲電子ソリューションズ(現立花電子ソリューションズ)のASEAN事業を引き継ぎ、シナジー効果を出している。
中村MDは「日本で築いた技術商社の地位を中国・ASEANを中心とする海外でも確立していく。高い技術力と営業力でスマートファクトリー化、カーボンニュートラル対応も積極的に提案している」と説明する。
22年度も日系、ローカル両顧客向けの売り上げを伸ばし、21年度と同割合でTOHのFAシステム売上高の約45%、半導体デバイス売上高の約20%がローカル顧客向けになる見通し。
シンガポールのローカルマネージャーに続くローカル人材育成にも力を入れる。