2023.01.07 ソニー・ホンダモビリティ、コンテンツ配信や表示などさらに磨き エコシステムに意欲

「皆さんに驚きを持ってもらえるものを出したい」と意欲を示す水野氏

プロトタイプの運転席付近。さまざまな表示も見込まれるプロトタイプの運転席付近。さまざまな表示も見込まれる

フロントの前面には「メディアバー」と呼ばれるディスプレーが設けられるフロントの前面には「メディアバー」と呼ばれるディスプレーが設けられる

 ソニーグループとホンダの合弁で電気自動車(EV)を手掛ける新会社、ソニー・ホンダモビリティの水野泰秀会長兼CEOは6日、米ラスベガスで電波新聞の取材に答え、プロトタイプを発表した「AFEELA(アフィーラ)」について、センシングや拡張現実(AR)など、ソニーの強みとする技術を生かし、新しい車の作り方を目指す姿勢を示した。

 水野氏は「今回はデザインコンセプト。ソニーのセンシングをはじめとした技術を当然生かしていく。ホンダの強みは車づくりや自動運転。強みを合わせ、乗る人に合わせてアップデートしていく車を目指す」との考えを示した。

 車内のディスプレーなどを生かし、さまざまなコンテンツ配信や表示などが見込まれ、ソニー側も、没入感を高める空間作りを検討しているもよう。車の前面にある「メディアバー」と呼ばれるディスプレーでは、乗り手が情報を発信もできる。「コミュニケーションツールとして使っていける」と、個人が好みに合わせてカスタマイズできるモビリティーを目指す方針だ。

 米エピックゲームズとの提携を発表したが、「さまざまなソフト会社とも、さらにパートナーとエコシステムで進めたい」と、さらなる連携に意欲を示した。

 「車としての乗り味なども当然、磨かないといけないが、今後の開発は、ソフト面が中心となる。ソフトウエア定義車としての新しい形を示す」と語る。

 「次の発表は、もう少しレベルアップしたものをお見せしたい。ラインアップも(商用車などを含め)そろそろお伝えしないといけない」と話した。

 また、「 自動車を巡る仕事の仕方も変わってきた。ふつうの自動車会社は2025年や26年に出すものを、いま発表したりしない」と指摘。「パートナー的な方に見てもらい、『こういうことができる』と提案してもらうなど、ビジネスオポチュニティーをなるべく増やしていきたい。Tier1、2、3といった態勢も大事だが、それとは違って手を挙げていただくことも歓迎している」と展望した。

 AFEELAは5G接続に対応し、ソフトウエア更新をできるようにするほか、自動運転や先進運転支援システムを搭載。半導体大手、米クアルコムの「スナップドラゴン」が採用される。
(後日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)