2023.01.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】三信電気 鈴木俊郎社長

顧客のベストパートナー目指す

 三信電気は、半導体・電子部品を扱うデバイス事業と、情報通信ネットワークを核としたシステム提案・構築を行うソリューション事業を展開。総合力を生かしたきめ細かなサポートを通じて、顧客のベストパートナーを目指す。

 デバイス事業では海外半導体のほか、電子部品、液晶など幅広く取り扱う。2年前、ルネサスエレクトロニクスの商流移管に伴い、戦略を大きく変更。STマイクロエレクトロニクスや、リアルテックなど海外半導体の供給にシフトし、着実に販売実績を伸ばしている。

 コロナ禍や半導体不足の混乱はあったが、旺盛な需要に支えられ、前期・今期(23年3月期)とも売り上げは好調。上期(22年4~9月)の売り上げも前年同期比145%増の829億9000万円という実績だった。

 鈴木俊郎代表取締役社長執行役員(COO)は「23年の市況はつかみにくいが、好不調の分野が分かれるのではないか」と見込む。「市況の変化を見極めつつ、マーケットニーズが多様化する中、充実したラインアップと、きめ細かい技術サポ-ト、強固なサプライチェーンなどで応えていく」と話す。

 23年度(24年3月期)を最終年度とする中期経営計画はほぼ想定通りに進んでいる。デバイス事業では、海外半導体の売り上げ増やAI/IoT、ロボティクス、自動車などの新分野での売り上げ拡大を重点施策として取り組みを強化する。

 ソリューション事業は①ITインフラ②アプリケーションソフト③映像ソリューション④消防防災⑤組込みシステム⑥データセンター⑦サポートサービス--などを提供している。鈴木COOは「DXは多くの企業の事業のコア。それを実現できる技術力の向上に取り組み、ソリューション事業の拡大を目指す」と話す。

 社内体制強化にも取り組む。在宅勤務への対応や業務効率向上を目的に、OA機器の刷新や通信ネットワーク増強などを実施。海外拠点も強化し、国内顧客の海外移管や海外での開発サポートなどを充実させる。

 鈴木COOは「事業環境の変化が激しい中、新分野であるホワイトスペースを確実に伸ばし、中計の目標を達成したい」と話す。