2023.02.14 【省エネ大賞特集】サンケン電気 「MD6750シリーズ」 経済産業大臣賞

高効率デジタルパワーマネジメントIC「MD6750シリーズ」

高効率デジタルパワーマネジメントIC 変換効率2%以上向上

 サンケン電気は、高効率デジタルパワーマネジメントIC「MD6750シリーズ」が、製品・ビジネスモデル部門の経済産業大臣賞(節電分野)を受賞した。

 省エネ要求のうち、スタンバイ時などの効率要求も高まっている。欧州では軽~中負荷時の効率規制を含むErP(エコデザイン)指令も強化されている。

 コンセントから供給される交流電力を直流に変換する電源回路は、省エネに大きく影響する。そこでOLEDテレビはじめ大電力を必要とするAV機器などの電源用に、高度なデジタル制御が容易な製品として同ICを開発した。

 デジタル制御電源用のマイコンチップと、PFC回路や電流共振回路のドライバーなどを内蔵した高耐圧アナログチップを1パッケージ化。デジタルとアナログのメリットを両立させている。

 従来のアナログ電源ICで必要だった周辺部品削減を実現。部品点数を30%削減、サイズを20%削減させた。

 テレビでいえば、視聴時と待機時など、各条件で効率を高めることが重要。そこで電源回路をソフトで制御し、さまざまな動作条件に対応し、全負荷で変換効率の2%以上の向上を実現した。

 効率向上により熱損失が低下することで、放熱機構の簡略化にもつながる。デジタル制御による部品削減との相乗効果から、電源基板の小型化が可能に。大画面ながら省エネで薄型なテレビが実現でき、高精細テレビの顧客らから好評だ。

 賞では「世界的な電子化製品の拡大の下、電源回路は必ず必要とされるもので、この効率向上は大きな効果が期待できる」と評価された。こうしたコンセプトや性能の競合品はなく、いわばオンリーワン。サーバーなど、OAや産機にも浸透を図る。