2023.02.16 掃除機の排気性能が花粉対策に有効 埼玉大教授がスティック型で実験

花粉対策には空気清浄機に加え、掃除機の排気性能を気にかける必要も

 花粉対策には掃除機の排気性能も大切―。花粉症原因物質研究の第一人者である埼玉大学大学院理工学研究科の王青躍(おう・せいよう)教授がこんな実験結果を報告した。花粉症に悩む人には掃除機の排気性能が、花粉の季節では訴求力を増しそうだ。

 王教授が行ったのは、主要5社の充電式スティック掃除機(最上位機)を使い、スギ花粉を吸引した後の花粉の状況を調べる実験。ダストボックス内の花粉の状況と、排気時にどれだけ花粉が出てくるかを計測した。

 王教授は、花粉症を引き起こす原因となるのは小雨などの外部からの刺激で花粉が壊れて微細化した「粉砕花粉」と指摘。実験では、ダイソンを含む5社のスティック掃除機でスギ花粉を吸引後、ダストボックス内を調べると、全ての掃除機でほぼ100%花粉は破裂していないことが判明。一方で、その後に排気口から出た花粉を調査すると、PM2.5など粒子が小さいほど粉砕花粉となって排気を通し、漏れ出ている掃除機が多いという事実が分かった。5社のうち1社はPM5.0(5.0マイクロメートル以下)でブロック率が75.0%と粉砕花粉が漏れ出ている状況だった。

 王教授は「たとえ1%でも出ていると、花粉症の人は感じてしまう」と強調。「花粉症の人は、できる限り排気性能が高い掃除機を選ぶべきだ」と指摘している。

(17日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)