別々の場所でライブセッション

大掛かりな設備なくとも可能

　ナリッジサービスネットワーク（東京都大田区）は、シミュレーションや実験結果を可視化するサービスを提供している。5Gプロジェクトでは、その技術を生かし、別々の場所にいるアーティストが5Gを使ってライブセッションできる実験を行った。

　ナリッジが実現を目指すのは、世界中のアーティストが別々の場所でライブセッションできるような「グローバルステージシステム」を作り上げることだ。このサービスには、演奏や歌、映像を同期させるために5Gのような高速通信の存在が欠かせない。

　畠山和敏常務執行役員は「課題もあるが、実験に参加したアーティストからはステージとして楽しめたという声があり、手応えを感じている」と話す。

　これまでこうした仕組みは、テレビ局などの中継車を使う必要があり、高額なコストがかかっていた。5Gが普及すれば、スマートフォンを介して世界中でライブセッションできるようになり、大掛かりな設備が不要になる。畠山常務は「きっかけがあれば普及するはず。そのためにも5Gのさらなる発展に期待している」と話している。