NTT子会社でエネルギー事業を手がけるNTTアノードエナジーと、東京電力グループと中部電力が折半出資するエネルギー会社JERA（ジェラ）は18日、再生エネルギー開発のグリーンパワーインベストメント（GPI、東京都港区）を共同で買収すると発表した。投資額は3000億円規模と見られる。

　両社は必要な手続きを経て、2023年内に株式の取得を完了する見通し。出資比率はNTTアノードエナジーが約8割、残りがJERAとなる。

　GPIは、04年の設立以降一貫して再生エネの建設や運営などに取り組んできた。20年には、当時日本最大となる出力約12万kWの陸上風力発電所（青森県つがる市）の商業運転を開始。今年5月には岩手県で、「住田遠野ウィンドファーム」の運転に乗り出した。さらに、再生エネを主力電源化するための切り札として期待を集める洋上風力発電の普及も目指し、北海道石狩湾新港に発電所を建設する計画も進めている。

　NTTアノードエナジーとJERAは、こうした再生エネの開発能力を高く評価。買収を通じて、建設・開発中の風力発電を含めた再生エネ事業を取得。各社のノウハウや強みを持ち寄ってシナジー（相乗効果）を最大化させて、脱炭素社会づくりを後押ししたい考えだ。

　同日の記者説明会で、NTTアノードエナジー副社長執行役員でグリーン発電本部長を務める伊藤浩二氏は今回の買収の狙いについて、「（GPIは）日本有数の風力開発のチームを持っている」と強調。そのリソースを生かして、「今後の再エネ開発をさらにスピードアップしたい」と力を込めた。JERAグローバル再生可能エネルギー統括部国内洋上風力事業部長の由井原篤氏も、買収を機に再生エネ事業を加速することに意欲を示した。