2023.05.24 【次世代自動車用部品・材料特集】JFEケミカル ハードカーボン負極材など軸に拡大
JFEケミカルは、車載用機能性材料ビジネス拡大に向けて①電池材料②フェライト分野を強化している。JFEグループの製鉄工程での副生品の安定調達を強みに原料から一貫生産し、高特性で高品質の製品を低コストで安定供給する。
電池材料は、民生用を中心に負極材を長年手掛けてきた。今後は次の三つの負極材を軸に車載ビジネスを大きく拡大させる方針。
ハードカーボン負極材は、独自技術で優れた出力・耐久性を持ち、国内車載向けLIBに採用されて生産・販売を拡大。また、次世代LIBとして注目されるAPBの全樹脂電池にハードカーボンを独占供給予定。
ニードルコークス系負極材は、中国宝武炭素との合弁事業「烏海宝傑新能源材料有限公司」に40%出資。コスト競争力を生かし、2021年末に稼働、現在はフル稼働している。中国車載電池用需要は旺盛で生産規模拡大を検討中。天然黒鉛系負極材も長年の実績があり、車載電池用に販売拡大を目指す。
フェライトは、JFEスチール製鉄所で副生される酸化鉄を活用し、原料からの一貫生産体制を整備。高純度酸化鉄の安定調達で高品質フェライトコアを安定供給する。マンガン系フェライトは日系外販メーカーでトップシェアを確保。電動車搭載のコンバーターやインバーターなどを強化する。
同社は国内(倉敷)に新型連続炉を導入し新製品生産を開始した。