2023.05.30 経産省、データセンターの分散立地促進へ支援、生成AIの産業政策にも力点
経済産業省は30日、半導体や人工知能(AI)などの情報処理基盤に関する産業政策の方向性を示す「半導体・デジタル産業戦略」の改定に向けた最終案をまとめ、有識者会議に示した。デジタル社会を支えるデータセンター(DC)の分散立地を促すとともに、利用者の指示に基づいて文章や画像などを自動生成する生成AIの開発力を高める方針だ。
改定案には、国内DCの8割超が東京・大阪圏に集中している現状を踏まえて、同圏を補完・代替する「第三、第四の中核拠点」を整え、大規模な自然災害などに備える方向性を盛り込んだ。データ流通の「ハブ」としての機能を強化する狙いもある。DC整備の候補地として挙げたのは、北海道と九州。再生可能エネルギーの発電量が多い両地域は、電力消費量が多いDCの適地と評価した。整備の補助費として、2023年度から4年間で総額455億円を計上する。
生成AIについては、官民で有志国と連携しながら、国内の「基盤的な開発力」を高める方向性を明示した。AI開発に必要な計算資源やデータの整備に加えて、世界からトップ人材が集まり切磋琢磨できる研究・人材育成環境を構築する必要性も強調した。
同戦略の改定は、2021年6月の策定以来初めて。近く改定版を策定し、民間投資の喚起にもつなげたい考えだ。
(後日、電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)