2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】OSK 橋倉浩社長
インボイスなどの対応好調
DXパッケージが受け皿に
昨年度下期から続く電帳法改正やインボイス制度への対応の動きが非常に好調だ。売上高は前年同期比15.9%増、営業利益は同55.1%増と収益にも貢献している。
販売・会計・人事給与の主力基幹系システム「SMILE(スマイル)V2」と、ワークフローやドキュメント管理を担う情報系システム「e Value(イーバリュー)V2」を組み合わせ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「DX統合パッケージ」がニーズの受け皿となった。
基幹系では依然としてオンプレミス(社内運用)の需要が高く、約8割に上っている。一方で、情報系では4~6割がクラウドで利用している。当社はその両面に対応できるのも強みだ。
今後は、DX統合パッケージに人工知能(AI)を組み込み、顧客との商談情報の共有といったデータ連携などの機能を追加していく。
親会社の大塚商会に頼らず当社が直接販売する外販ビジネスも売上で30%伸びた。全体に占める外販の割合は現状16.2%だが、30%まで引き上げていきたい。
外販強化に向けては、町工場など地域の中小製造業者をターゲットにした生産・販売管理支援の取り組みも順調に進んでいる。昨年4月に立ち上げた業種推進課の若手営業社員を中心に、これまで手薄だった北関東や北信越などで多品種小ロット生産の中小加工業のデジタル化支援を本格化させている。
研究開発では、コードの自動生成を支援するAIツール「GitHub Copilot(ギットハブ・コパイロット)」の活用調査を始めた。プログラム開発の生産性向上に有効かどうか調べていきたい。
引き続きOCR(光学式文字認識)にAIを活用した「AI OCR」の自社製品化や、アプリケーションを自動生成する開発ツール「GeneXus(ジェネクサス)」を活用したローコード開発も加速させたい。
新組織を発足
この8月には、研究開発強化に向けた新たな組織として研究開発推進課を発足させた。生成AIなど想像もしなかった技術が出てくる中、全く新しい製品だけでなく、既存製品に追加できる新技術などニュートラルな形で研究開発できる部隊を整えた。社内公募で2桁の人員をそろえていく方針だ。
まずは、毎年2月に実施する社内発表会に提案された優秀なアイデアから取り組んでみたい。