2024.03.21 スマホ撮影で「腰痛」診断 AIが原因推定、NECと東京医科歯科大が開発
前屈運動から関節の動きをAIが分析(Webサイトの動画から)
NECと東京医科歯科大は21日、スマートフォンで体の姿勢を撮影すると、人工知能(AI)が腰痛の原因を推定し、症状の改善を支援する技術を開発したと発表した。2024年度中に実証試験を行い、効果を確認した上で自治体や企業向けに実用化を目指す。
撮影する角度を考慮してAIが骨格を補正する骨格推定技術や仮説推論技術などの先端AIと、東京医科歯科大の医学的知見を組み合わせて開発した。新技術では、腰痛に悩む利用者が前屈や体をひねるといった動作をスマホやタブレット端末で撮影すると、腰や膝の位置、背中の屈曲不足といった体の部位ごとの状態がデータ化される。
事前に入力した利用者の年代や生活習慣といった問診情報を組み合わせ、AIが腰痛の原因を平均10秒以内に推定する仕組み。スマホの画面には「腰椎(ようつい)の屈曲が過剰」といった痛みの原因が表示され、「ブリッジ運動」などその人に適した改善プログラムの動画も提示する。腰痛を持つ人が、好きな時に自分のスマホで腰の状態を確認できるようになる。
NECが運営するヘルスケア店舗「NECカラダケア神楽坂店」などで24年度中に実証を行い、有効性を検証。将来的には首や肩の不調にも拡大していく方針。NECバイオメトリクス研究所の小阪勇気主任研究員は「今後、健康経営を目指す企業やリハビリを提供する施設、住民の健康増進支援に取り組む自治体への提供を想定している」と話した。
(22日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)