2024.04.19 5G導入コンサルサービス 混雑時も安定通信 NTTコムが22日から提供

実演デモでは、5Gワイド(画面左)は遅延なく高精細の4K画像が送信されたが、一般契約(画面右)は一部画像が乱れた=19日、東京都千代田区

パケット優先制御機能の仕組みパケット優先制御機能の仕組み

 NTTコミュニケーションズは22日から、高速通信規格5Gの活用を検討する企業向けの総合コンサルティングサービス「docomo businessプライベート5G」の提供を始める。混雑エリアでも安定した通信を実現する「5Gワイド」を新たに開発し、導入の遅れが指摘される5Gの普及拡大につなげたい考えだ。

 今回提供するのは、モバイルネットワークの導入を検討する顧客企業の要望に合わせ、エリア調査から設計、構築、導入までを総合的にサポートするコンサルサービス。ローカル5Gのほか、工場や自社ビルに恒久的に5Gエリアを構築する「エリア構築」、期間限定の「キャリー5G」といった既存技術に加え、目玉のメニューとして新たに5Gワイドを開発した。

 5Gワイドは、一般ユーザーと比べ優先的にパケットを割り当てる優先制御機能を使い、混雑する場所やアクセス集中時でも安定して通信を確保できる仕組み。19日には5Gワイドの実演デモが行われ、一般契約と比べ高速低遅延で高精細の4K動画が送信できることが示された。 NTTコミュニケーションズ5Gサービス部門の岩本健嗣部門長は「新たなメニューとして、導入しやすい5Gワイドを追加することで、ローカル5Gほどの高精細映像が求められないような現場などで活用してもらいたい」と話す。

 企業の5G活用は、映像中継や遠隔医療、拡張現実(AR)を活用した遠隔作業支援をはじめ、交通管制や救急搬送のほか、駅・ターミナルでの業務用通信にも導入が進んでおり、混雑エリアやアクセスが集中する時間帯でも安定した通信を維持したいという要望が高まっている。一方で、エリア限定で5Gを使う「ローカル5G」や、ネットワークを仮想化して端末種別やサービスごとに分割して管理する「スライシング」などさまざまな技術開発が進み、企業自らが用途や現場の状況に応じた最適な通信環境を検討するのが難しいことが課題になっていた。

(22日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)