2024.04.19 内田洋行、マイナカード対応の本貸出ロッカー開発 全国初、富山県の図書館に導入

予約本貸出ロッカーでは、マイナンバーカードをかざすと予約した本を取り出せる

内田洋行が全国で初めて立山町に導入したマイナンバーカード対応の「予約本貸出ロッカー」内田洋行が全国で初めて立山町に導入したマイナンバーカード対応の「予約本貸出ロッカー」

 内田洋行は、マイナンバーカード対応の「予約本貸出ロッカー」を、全国で初めて富山県立山町の図書館に導入した。マイナカードをかざすと鍵が開き、事前にオンライン予約した本を借りることができる。図書館が閉館している時間でも無人で対応する。同社は「ロッカーでマイナカード認証をするのは初めての試み。住民の生活スタイルに合わせて図書館を利用してもらうことで読書意欲の促進と職員の省力化につなげたい」として、他自治体にも導入を進めていく方針。

 予約本貸出ロッカーは、立山町役場近くにある富山地方鉄道「五百石駅」と、町の複合拠点施設内にある立山図書館に設置された。図書館利用者カードを所有していない町民もマイナカードで利用できるという。

 ロッカーでは、利用者情報とひもづけられたマイナカードを読み取り部分に載せて、読み込みボタンを押すと、画面に利用者番号(図書館カード)が表示される。続いてロッカーの位置が示され、指定の番号のロッカーの扉を開けて予約本を取り出す流れ。

 ロッカー内には赤外線センサーが搭載され、実際に取り出されたかを自動で確認できる。利用者が本を受け取った時点で貸出処理が自動で行われるほか、ホームページから予約を受けた図書館職員がロッカーに本を入れた時点で利用者に自動でメール通知する仕組みも取り入れた。内田洋行ガバメント推進事業部ユビキタスライブラリーの平川直弥さんは「これまでは図書館職員が電話をかけて対応していたが、手間を削減することができた」と話す。

 1冊でもロッカー内に取り忘れがおきると自動検知ができなくなることから、複数冊を同時に借りる人の取り忘れを防ぐため、最大10冊を1つの袋にまとめて持ち帰りできるオリジナル予約袋も新たに用意した。返却時は併設の自動返却機に投函する。

 内田洋行ガバメント推進事業部長兼自治体ソリューション事業部長の木内麻文執行役員は「全国的に書店が少なくなる中で図書館の重要性が高まり、住民の交流の場にもなっている。マイナカードを利用したサービスのモデルとして、他の町にも横展開していきたい」と意気込んだ。(22日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)