2024.04.24 「学ぶプロセスが大切」 デジタル人材育成に新検定 夏にも初回試験 さくらインターネット

会見に登壇した髙橋執行役員(左)

ほぼ満席の説明会場ほぼ満席の説明会場

 データセンター事業などを手掛けるさくらインターネット(大阪市北区)は24日、デジタル人材育成に向け、独自の「さくらのクラウド検定」を設立すると発表した。クラウド化に取り組む企業からITの学びを深めたい学校の教員や子どもまで、幅広くデジタル人材の底上げを図るのが狙い。

 国内のデジタル人材不足は深刻化の一途をたどっており、国際間競争を勝ち抜くためにもデジタルトランスフォーメーション(DX)を担う人材の育成が国家的課題になっている。

 そこでITインフラやデジタルサービスのノウハウを持つ同社が検定を立ち上げ人材育成に乗り出すことになった。

 24日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した国内最大規模のIT展示会「Japan IT Week春」で説明会を開き、検定の設立を発表。髙橋隆行執行役員は「検定に受かることではなく学ぶためのプロセスが大切だ」とデジタル教育の機会提供の重要性を強調した。

 オンライン教材開発を手がけるZero to one(仙台市若林区)が運営する教育用プラットフォームで、4月末から順次教材の公開を始め、夏ごろに初回検定試験を開始する予定だ。検定内容学習用コンテンツはオンライン上で無償で入手できる。

 試験は全てオンラインで行い、60分で100問程度を出題。合格ラインは7~8割を想定する。初回試験はデジタル技術の基礎をはじめ、さくらインターネットのサービス、さくらクラウドでのアーキテクチャー設計など専門的な内容も含めた設問にする予定。

 今後は学習内容の拡充や、難易度による検定のクラス分けも検討する。当面は日本語のみだが、英語対応も行い東南アジア地域にも展開する予定だ。