2025.04.28 TDK、3月期連結は業績が過去最高 ICT市場で販売増
TDKの2025年3月期連結決算は、ICT市場での販売増などにより増収かつ大幅増益となった。売上高および全ての利益項目で過去最高を更新した。
「産業機器市場では設備投資需要が低調に推移し、自動車市場ではBEV(バッテリーEV)の需要が停滞したが、ICT市場での部品需要回復や新製品の販売貢献などにより、センサーやHDDヘッド、小型二次電池などの販売が大幅に増加した。営業利益は円安や構造改革効果も増益に寄与した」(齋藤昇社長)。
2024年度の事業別売上高は、磁気応用製品事業は、HDD市場回復によりHDDヘッドやHDDサスペンションの販売が増加し、前期比21.4%増の大幅増収となり、営業黒字に転換した。センサ応用製品事業は、ICT市場向けTMRセンサーなどの販売が拡大し、同5.0%増。エナジー応用製品事業は、スマートフォン向け小型二次電池の新モデル立ち上がりなどの販売数量増により、同4.9%増。受動部品事業は、自動車や産業機器市場向けの販売が減少し、同1.1%減となった。
今期の連結業績は、米トランプ政権による追加関税措置影響による経済環境の見通しが困難なため、ベースシナリオとリスクシナリオの2種類の業績予想を策定し、幅を持たせた業績予想を公表した。ベースシナリオでは、売上高は微減だが営業利益は微増を計画する。リスクシナリオには、米関税政策が機器需要そのものに与える影響などを織り込んでいる。